熱性けいれんの緊急対応マニュアル


澤田雅子先生
澤田こどもクリニック院長
赤ちゃんが熱性けいれんを起こしたら、とにかく落ち着いて。ここでは、実際に発作が起こったときの対応の仕方を時間を追って、ご説明します。熱性けいれんを起こしても、命を落とすことはありません。とにかく、落ち着くことが大切です。けいれんが始まったら、まず赤ちゃんをより安全な状態にし、様子を観察しましょう。いざというときに知っておきたい、熱性けいれんの緊急対応マニュアルです。
熱性けいれんが起こったらやってほしい3つのこと
1.赤ちゃんの衣服をゆるめて、横向きにさせる
【From Dr.】
服のボタンなどをはずし、衣服をゆるめてラクな格好にします。とくに、首の周りはゆるめましょう。吐いたときに物がのどや気管につまると窒息の危険があるので、顔を横に向けて少しのどをそらしぎみにします。
【POINT】
けいれんで全身が硬直しているときには、顔だけでなく体ごとそっと横向きにして安静に寝かせましょう。吐いたときは、できる範囲で口の中のものをかき出すようにしますが、指をかまれることがあるので注意してください。
2.けいれんしている時間がどのくらいかはかる
【From Dr.】
熱性けいれんは、短ければ1~2分、長くても5分くらいでたいていおさまります。落ち着いて時計を見ながら症状を観察しましょう。15分以上持続したり、症状が左右非対称だったり1日以内に反復する場合、複雑型熱性けいれんと呼ばれます。
【POINT】
初めてのけいれんの場合、実際よりかなり長く感じるはず。時間をはかる際には、はかり始めがわからなくなることもあるので、できるだけ落ち着いて時計を見ましょう。赤ちゃんのいる室内に、秒針のついたアナログ時計をひとつ置いておくと便利です。
↓
5分以上のけいれんや、左右非対称のけいれんは大至急救急車を呼ぶ!!
3.けいれんの様子をよく見る
【From Dr.】
どんなふうにけいれんしているか、よく見ることも大切です。体の突っ張りぐあい、両手両足のふるわせ方や黒目の動きなど、左右対称かどうかをチェックしながら観察を。けいれんの様子は、持続時間と同様、正確な診断の助けになります。
【POINT】
主な熱性けいれんは、発熱時に体や手足、黒目が左右対称な動きをします。てんかんなど、ほかの病気によるけいれんは、脳のどこに問題があるかで、動きが非対称になることも。その場合は、どの部分がけいれんしていたか、できるだけ正確に医師に伝えてください。
<主な熱性けいれんの場合>
発熱時に左右対称にふるえる
<注意が必要な場合>
平熱時や激しく泣いたときに左右非対称にふるえる
↓
5分以上のけいれんや、左右非対称のけいれんは大至急救急車を呼ぶ!!
絶対にしてはいけない2つのこと!!
1.赤ちゃんの口に物を入れない
2.赤ちゃんの体をゆさぶらない
けいれん中、体をゆするのは絶対NG!それが刺激になり、けいれんが止まりにくくなる恐れも。また、舌をかむことはまずないので、タオルやスプーンなどを口に入れないで。窒息したり、口の中を傷つけたり、歯を折ってのどに詰まらせたりする危険があります。
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熱性けいれんが落ち着いたらやってほしい3つのこと
1.ママと視線が合うかを確認する
【From Dr.】
けいれん後は、意識がはっきりしているかどうか、赤ちゃんと視線を合わせて確認を。ケロリとしていたり、疲れたようにぐっすり眠ってしまう場合が多いですが、意識がもうろうとしていたら、すぐに受診しましょう。
2.熱をはかる
【From Dr.】
熱が何度くらいのときにけいれんを起こしたか知るため、おさまったら熱をはかりましょう。日ごろから、平熱が何度か知っておくことも大切です。受診の際には、平熱とともにけいれん時の体温も医師に伝えましょう。
3.病院へ連絡し、すぐに受診をする
受診のとき、医師から聞かれるのはこんなこと
□ けいれんが起こる前までの赤ちゃんの様子
□ けいれんしていた時間
□ けいれん後の体温
□ 家族のけいれん経験
<治療はこんなことをします>
受診すると、医師はまずけいれんの様子や持続時間などを聞きます。同時に、発熱の原因は何か、手足にマヒはないか、吐いたものが気管に入っていないか、などをチェック。その後、念のためけいれん止めの座薬を入れ、必要があれば検査をすることも。処置や検査が終わったら、点滴をしながら再度けいれんを起こさないか2~3時間病院で様子を見ることもあります。
救急車を呼ぶべき? 迷ったときの判断は?
初めてのけいれんなら、救急車を呼びましょう
発熱以外にも、さまざまな原因でけいれんは起こります。でも、ママがけいれんの様子を見て熱性けいれんかそれ以外かを見極めるのは難しいもの。診察時間内ならかかりつけ医に連絡してもいいですが、初めての場合は原因を早く確かめるためにも、救急車を呼んだほうがいいでしょう。また、6カ月未満の赤ちゃんのけいれんや、長引くけいれんのときは、急を要するほかの病気が疑われます。この場合も、救急車で病院へ。
<夜間の場合>
直接、夜間救急へ行くか、すぐ救急車を呼びます
<日中の場合>
かかりつけ医に連絡。診療時間外なら救急車を
● 最初のけいれんは、夜、自宅で起こしたので、すぐ救急車を呼び病院へ。2度目のときは、車で移動中でした。たまたま近くに救急病院があったため、電話をしてそのまま車で行きました。(Yさん)
● 40度近い高熱を出していて、小児科でけいれん時の対処法を聞いていたため、すぐに救急車を呼びました。けいれんが15分以上おさまらなかったので、検査などのため5日間の入院に。(Iさん)
こんなときは日中、夜間にかかわらず大至急救急車を!
□ けいれんが5分以上続く
□ 短時間にけいれんを繰り返す
□ けいれん後、意識が戻らない
□ 6カ月未満の赤ちゃんの場合
出典:Baby-mo(ベビモ)
※情報は掲載時のものです。
こちらもチェック!
赤ちゃんの熱性けいれん
熱性けいれんを起こしたあとの生活アドバイス

澤田雅子先生
澤田こどもクリニック院長
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