赤ちゃんの熱性けいれん その症状と対処法とは?

 専門家監修
公開日:2014/02/27
更新日:2018/03/12
赤ちゃんの熱性けいれん その症状と対処法とは?
監修
澤田雅子先生
澤田こどもクリニック院長

発熱とともに、前ぶれもなく突然起こる赤ちゃんの熱性けいれん。ただならない様子に、ママはパニックを起こしてしまうことも。だれにでも起こる可能性があるだけに、いざというとき困らないための予備知識を備えておきましょう。

乳幼児は、熱の上がり始めに起こりやすい

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熱性けいれんは、名前のとおり発熱がきっかけになって起こるけいれんです。突発性発疹やこれから冬にかけて流行するインフルエンザなど、38度以上の高熱が出る病気にかかったとき、熱の上がり始めに起こりやすいのが特徴。原因ははっきりわかっていませんが、赤ちゃんは脳の神経発達が未熟なため、発熱による刺激でけいれんを起こすのではないか、と考えられています。

多くは1回だけ。命にかかわらないので、あわてないで!

日本では熱性けいれんを起こすのは、乳幼児100人につき3〜8人。たいてい1回だけですんでいますが、熱性けいれんを起こした子の約30%が2回目のけいれんを起こし、さらにそのうちの20〜30%が3回目を起こすといわれています。赤ちゃんがいきなりけいれんを起こすと、その様子に驚き、死んでしまわないかとママは心配になるでしょう。でも、単純な熱性けいれんなら、命にかかわることはなく合併症を起こすこともありません。熱性けいれんの多くは5分以内におさまり、その後はスヤスヤ眠ってしまうことが多いもの。予後はいいので、いざというとき落ち着いて対処できるよう、事前に知っておくことがとても大切です。

いつごろから、なぜ熱性けいれんが起こるの?

熱性けいれんを起こしやすいのは、6カ月から5才くらいまでの乳幼児で、ほとんどは3才まで。初めて熱性けいれんを起こすのは1才台に多く、5%以上の子どもが1回は経験するといわれています。また、遺伝的な要因があり、両親のどちらかに熱性けいれんの既往があることが多いといわれています。

熱性けいれんが起こりやすいときは?

要注意なのは急な熱のあがりがけ。大半は突発性発疹やインフルエンザなどのウイルス感染症が原因で発熱するとき、急激な熱の上がりかけにけいれんを起こすことが多いです。ただし、赤ちゃんの平熱によって、また熱の上がり方によっても違うので、熱が何度くらいでけいれんが起こるかは一概にいえません。さらに少し熱が下がっても、再度熱が上がるときに起こすこともあるので、完全に熱が下がるまでは、赤ちゃんの様子をよく見ていることが重要です。

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熱性けいれんを発症したときの症状は

強直期(初め体をかたく突っ張って眼球上転し、歯は食いしばり息を止めて、くちびるが紫色になる)が数十秒続いたあと、間代期(体の緊張がふっと抜けて目が動き四肢をぴくぴくさせたり口から泡を吹いたりする)が数分あって、その後数分から数時間眠り、目覚めたあとはマヒを残さずいつもどおり、というのが典型的な熱性けいれんの経過です。

症状①目の状態は両目とも「白目」に

けいれんが起きたときは「黒目が見えなくなり、ちょっと充血した白目しか見えない白目をむいた状態でした。(Mさん)」、「目は血走ってひきつり、恐ろしい形相でした(Iさん)」という声があるように、両目ともに白目になっている状態です。

症状②口は、泡を吹いたり嘔吐をすることも

口から泡を吹いたり、嘔吐する状態も多いようです。「くちびるが真っ青になり、泡を吹き出しました(Iさん)」「誤えんが心配でしたが、歯をくいしばっていて、口をあけられる状態ではありませんでした(Yさん)」

症状③全身が硬直したまま、ガクガクと揺れる

「体が硬直していて、背中は文字どおりエビぞり状態でした(Iさん)」「全身を突っ張らせてガタガタとふるわせ、指先まで青白くなっていました(Tさん)」という症状はまさにけいれん。ただふるえているのではなく、体が硬直している点が特徴です。

症状④両手両足が同じ姿勢(左右対称)で硬直

硬直状態が左右対称におこっているのも特徴的です。実際に経験したママからはこんなお話がでていました。「左右の手足が突っ張っていて、上着を脱がせられないほどでした(Mさん)」「両手足をピンと硬直させ、抱っこしようとしても、うまく抱けない状態でした(Hさん)」

泣き入りひきつけやてんかん発作との違いは「発熱」

てんかん発作は、発熱がなくても起こります。一過性、反復性に発作と呼ばれるいろいろな神経症状を起こし、長期治療が必要な病気です。脳波を調べると、特有の異常が見られて診断されます。また、泣き入りひきつけは、病気ではなく赤ちゃんの個性により起こるもの。熱はなく、激しく泣いている途中で興奮してひきつける状態で、たいていの子が1分程度でおさまり、治療はいりません。

赤ちゃんの熱性けいれんを体験したママたちの“その日の様子”と“対処”を聞いてみました。

保育園と自宅で、1日に3回もけいれんを経験

けいれんするまでのその日の様子は?
1才6カ月で発症/Iちゃん・1才9カ月の場合。朝はいつもどおりでしたが、保育園でお昼寝後に元気がなく、39.2度の熱があったそう。たて続けに2回けいれんを起こし、病院へ。処置を受けて帰宅後、寝かしつけてしばらくしたら、3回目のけいれんを起こしました。

そのとき!ママはすぐに対処できましたか?
のどをゴボゴボいわせ、息をしていないようだったので、さかさにしたり、口をつけて人工呼吸をしました。けいれん中は時間をはかったり様子を見るべきだそうですが、何かしないと息子が死んでしまうと思い、あせりました。

ヘルパンギーナで熱を出し、安静中にけいれん

けいれんするまでのその日の様子は?
1才3カ月で発症/Kくん・2才の場合。朝から熱っぽかったので、小児科へ。へルパンギーナと診断され、薬をもらって帰りました。家で静かに過ごすため、私のひざに座らせてDVDを見ていたところ、いきなり体をブルブルふるわせだして、驚きました。

そのとき!ママはすぐに対処できましたか?
けいれんは2分間くらいでしたが、初めてのことでオロオロしてしまい、まずパパを呼びました。雑誌に「熱性けいれん」の記事が載っていたことを思い出し、あせってその記事を探し、パパに救急車を呼ぶよう頼みました。

暖房と厚着で体温が上がり、電車内でけいれんを

けいれんするまでのその日の様子は?
1才で発症/Mちゃん・1才6カ月の場合。お友だち親子4組で、子ども向けのテーマパークへ遊びに行きました。ふだんと変わった様子はなく元気でしたが、夕方に帰宅途中の電車内で眠っているとき、抱っこひもで抱っこされた状態で、いきなりけいれんし始めました。

そのとき!ママはすぐに対処できましたか?
熱性けいれんをまったく知らなかったので、娘が死んでしまうと思い、名前を呼び続けることしかできませんでした。けいれん後に熱をはかると、39度以上もあってびっくり! 暖房と厚着のせいで体温がこもったようです。

出典:Baby-mo(ベビモ)
イラスト/こしたかのりこ
※情報は掲載時のものです。

監修
澤田雅子先生
澤田こどもクリニック院長
1991年東京大学医学部小児科入局。国立小児病院新生児科、愛育病院小児科、東大病院小児科アレルギー外来などを経て、2003年に澤田こどもクリニックを開業。明るく親しみやすい人柄と、わかりやすい説明が評判のママ先生です。

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