【We are 家買う部!】住宅購入の予算はどう決めたらいい?

 専門家監修
公開日:2019/07/03
【We are 家買う部!】住宅購入の予算はどう決めたらいい?
監修
中嶋よしふみ
ファイナンシャルプランナー

家のチラシに踊る2800万円、3500万円、4700万円などの数字。最初は2800万円の予算だよね!と思っていたのに、いつの間にやら3500万円もいけるかも、もしかしてちょっと無理すれば4700万円でも大丈夫なのでは?と、根拠ゼロのポジティブな脳内シミュレーションに陥りがちです。でも一生に一度かもしれない大きな買い物。赤ちゃんが生まれてからローン破産なんてことは避けたいし、いったいいくらで買うのが安心なのでしょうか。というわけで今回のテーマは「住宅購入の予算」について。住宅に強いFPの中嶋よしふみさんに聞きました!

そもそも「家を買う予算」とは、どう決めたらいいの?

妊娠6カ月、住宅購入を検討中です。よく「年収の5倍が目安」といいますが、わが家では一体いくらくらいの家が買えるのでしょうか。今は家賃14万円の1LDKの賃貸マンションですが、それよりも毎月の支払いを安くしたい(希望は11万円くらい)。さらに私の仕事が派遣なので、もし産後に仕事を続けられなくても、家計が苦しくならないようにしたいとも思っています。夫34才(会社員)年収620万円、妻32才(派遣社員)年収250~300万円。現在の貯蓄は200万円です。(東京都/ネコさん)

「年収の5倍」はウソ! 同じ年収でも、家庭によって予算は変わる

「今の家賃よりも少ない支払いにしたい」「旦那さんの収入だけでも大丈夫な家を買いたい」というネコさん。

家を買うにあたって、「安心してローンを払いたい」とは、ほぼすべての人が思うことです。

家の予算を、年収の5倍を目安に考えるという話はよく聞きますが、実はこれは「安心して返せるかどうか」という点で見ると、まったく意味のない数字です。

なぜかというと、同じ年収だとしても、家ごとに年間の支出がまったく違うからです。

私立に通わせたい家庭と、そうでない家庭で、予算が同じでいいわけがない

例えば、お子さんを私立に入れたいという希望があれば、私立中学では公立よりも、年間約80万円負担が増えます。3年間で240万円、お子さんが2人ならその倍。

中学から私立に通わせたい家と、公立を考えている家で、家の予算が同じでいいわけはありません。

家を買う予算は「毎年の貯金額」で決まる

では、自分の家庭に合った予算はどうやって決めたらいいか? その答えは意外とシンプルで、「家を買う前と後で、家計の収支がどれだけ変わるか」を考慮すればOKです。

そしてそれは「貯金額」で判断できます。

ここでいう「貯金額」とは、「毎年どのくらいためたれているか」の金額

この「貯金額」とは今ある貯金額ではなく、「今現在、毎年、どのくらいためたれているか」の金額を指します。私はこれを「バッファー」と呼んでいます。

バッファーとは「緩衝材」のことですが、ここでは、家を買った後に考えられる「金銭的ダメージ」に耐えられるかどうかの指標として使っています。

家を買う前後の「金銭的ダメージ」に耐えられるかを考えよう

では「金銭的ダメージ」とは具体的に何でしょうか?

奥様が妊娠中の家庭は、今後、奥様の産休・育休・時短勤務、退職などの収入減、住宅コストや新たに加わる教育費による支出増など、家計の収支が大きく変わるケースが多数です。

ですから、家を買う前と後で、このような金銭的ダメージに耐えられるかシミュレーションをすることが大切になってきます。

現在のバッファーと購入後の収支を考えると、安心な予算がわかる

例えば、ネコさんの家庭が今現在、毎年100万円貯められているとしたら、住宅購入後に増える支出や、育休による収入の減少が100万円までであれば、貯金を崩さずにすみます。

反対に購入後に100万円以上の支出が増えるようであれば、貯金を崩すことになります。

このように、今現在のバッファーと購入後の収支を考慮することで、家の安心な予算がわかります。

生活スタイルによって異なりますが、購入後も年間100万円程度貯金ができる予算の家であれば、ひとまず安心だと考えてOKです。

本日の結論

購入後も「毎年100万円貯められる」が、安心な予算

でした。

関連リンク⇒⇒⇒【We are 家買う部!】家は賃貸と購入、結局どっちがお得なの?

_______

おまけ:頭金があれば、毎年貯金できていなくても家を買える?

結論からいうとおすすめできません。奥様が妊娠中の家庭は、育休・時短勤務などで収入が大幅に減ったり、新たにかかるようになる教育費などで収支がマイナスになるケースが多いです。現時点で毎年貯金ができていないということは、今ある貯金も、いつか底をついてしまう可能性が。貯金はストックだけでなくフローもないと心配です。まずは家計の改善を。(中嶋さん)

イラスト/てぶくろ星人 取材・文/佐藤真紀

出典 :Pre-mo(プレモ)2018冬号※情報は掲載時のものです

監修
中嶋よしふみ
ファイナンシャルプランナー
生命保険の勧誘や住宅ローンの仲介等を一切行わないスタイルで、新婚カップルやファミリー世帯向けに住宅購入等のプライベート相談を提供。著書に『住宅ローンのしあわせな借り方、返し方』(日経BP)など。「現在のお金の問題」を解決し、「将来のお金の問題」で困らずに済むための最適化したレッスン・アドバイス・相談を提供する「シェアーズカフェ」を運営。
シェアーズカフェ

あなたにおすすめ

注目コラム