わが家の強みは「自営業なので寄付金多く出せます」?【小学校お受験ウラ事情★塾選びから合格までの5つの壁!】

コラム
公開日:2019/06/11
わが家の強みは「自営業なので寄付金多く出せます」?【小学校お受験ウラ事情★塾選びから合格までの5つの壁!】

私立や国立の小学校を受験する、いわゆる「お受験」。自分の子どもを受験させるかどうかはさておき、どういう世界なのかはちょっと気になる! そんなママたちの声にお応えして、今回は実際にお受験をしたMilly読者に直撃取材。想像を超える費用をはじめ、通塾スケジュールやママ同士の人間関係まで、リアルなお受験事情をじっくりお届けします! 

今回、登場してくれたお受験ママ・千明さん(35歳)は、都心の一等地に住む専業主婦。会社経営のパパ、啓吾くん(小1)、桃花ちゃん(年少)の4人家族です。おっとりした性格でマイペースに子育てを楽しんでいたけれど、啓吾くんが年中のとき小学校受験を決意! お受験という未知の世界で奮闘することに……。

STEP1 お受験準備は幼稚園年少からスタートが基本。まずは肝心要の塾選び!

「啓吾の通う幼稚園では、小学校を受験するのは全体の3割くらい。みんなが受験するわけではないので、うちも最初は公立に行かせるつもりだったんです。でも年中の半ばに、主人が『やっぱり受験させよう』と言い出して……。慌ててお受験のことを調べ始めました」

小学校受験は、年少の秋ごろから始め、約2年かけて準備をするのが一般的。ほかの人より1年ほど遅れてスタートしました。

入塾にも本格的な面接が! 塾に入ることが第一の試練

「近所に有名な私立小があったので、志望校はすぐに決まったのですが、問題はお受験塾。先輩ママから『志望校の合格率が高い塾に行くこと!』と言われたので、条件に合うところをネットで調べたり、お友達に聞いたり……。

それでいいなと思ったのが、小規模な家族経営の個人塾でした。でも、誰でもすぐに入塾できるわけではなくて。まず紹介者を立てて、さらに入塾審査の面接にも受からないと入れない。うちは幸いにも知り合いの方が紹介してくださり、面接もなんとか合格。初期費用として、入会金16万円+3ヶ月分の月謝25万円=合計40万円ほど支払いました」

●入塾面接にもお決まりのスーツ!? 親の費用も予想以上にかさむ!●

お受験用のスーツは本番前に買えばOK、と思いがちですが、入塾の段階から必要な場合も。実際、千明さんは紹介者の方から「面接はスーツで」とアドバイスされ、夫婦そろってお受験用スーツを購入したそうです。

スーツの値段はピンキリだけれど、百貨店で買うなら10万円前後が目安。その他、ハンドバッグやパンプス、スリッパ、サブバッグなど細々としたものも必要。また、パパのスーツもビジネス用とは少し違うので、新たに買う人が多数。これも10万円前後はかかるので、けっこうな出費に! 

「お受験用に準備した靴とバッグです。私はサブバッグと靴を伊勢丹で購入して、ハンドバッグは手持ちのものを使いました。主人は靴を新たに購入。面接ではローファーなどはNGで、ひも靴じゃないとダメなんです。これはジョンロブで約20万円……私のスーツより、この靴に一番お金がかかっています(笑)」

STEP2 塾通いスタート! 最大のヤマは怒涛の夏期講習!!

年中の冬からお受験塾に通うことになった啓吾くん。冬期講習から始まり、普段は週1ペースで通塾しながら年長を迎えました。そしていよいよお受験で一番大事だと言われる“年長の夏休み”に突入! 

旬の食材や季節の行事まで……やることはお勉強だけじゃない!

「お受験塾ではペーパーテストのための勉強のほか、体操、絵画などを教わるんですが、覚えることが多くてビックリ! 例えば、お受験では絵本を読んで『このお話、季節はいつ?』と聞かれるんです。それを『モンシロチョウが飛んでるから、春』とか『シクラメンが咲いてるから、冬』とか当てなきゃいけない。

雲の絵ひとつ取っても『ちょっと流れてるから秋の雲だね』とか……季節の行事や旬の食べ物、草花などを覚えないといけないんです。普段からそういうことをやっているお宅なら自然と答えられるかもしれませんが、うちは塾で教わらないと絶対にできなかったと思いますね。それに加えて家庭でも、毎日宿題がドリル12ページ分あったし、縄跳びやボールつきの練習も必須。日々、無我夢中でやるべきことをこなしていきました」

1日7時間の夏期講習は親も子も踏ん張りどころ

「一番大変だったのは、やっぱり夏休み。塾で夏期講座がいろいろあり、その中から選ぶスタイルだったのですが、うちは1年出遅れていることもあり、120万円かけて全部受講することに。8月のお盆以外はほぼ毎日、1日7時間の授業を受けてみっちり叩き込んでもらいました

それでも足りない分は塾の個人レッスンを入れたり、家庭教師を頼んだり……。親の役目はお弁当作りと送迎くらいですが、夏期講習はかなりハードなので、子どもの精神面のケアも大事でしたね。まだ幼稚園生だとういのに円形脱毛症になった子もいたし、塾でお母さんをにらみ続けている子も……。頭のいい子ほど、ストレスも相当だったと思います」

●カフェ代50万!? 塾の待ち時間の費用もバカにならない!●

子どもが塾に行っている間、親はどうしているのかというと……授業を見学する塾もあれば、子どもだけ預ける塾も。後者の場合、待ち時間にママ同士でお茶に行くのが定番で、お茶代に年間50万円以上かかる人もいるとか! 千明さんはたまにお茶する程度だったものの、塾の近所にファミレスがなく、いつもホテルのラウンジへ行っていたため一回3,000円(桃花ちゃんを連れていたため2人分のお茶代として)はかかっていたそう。

夏は子どもを塾に通わせるだけじゃない! 全身全霊で挑む「願書作成」も始まります!

STEP3 願書を書く親のための講座も! 2ヶ月かけて願書作成

願書の提出は秋だけれど、千明さんが準備を始めたのは7月。そこから約2ヶ月もの時間をかけ、願書に添付する写真を撮影したり、文案を考えて添削してもらったり、さらには清書のためのペン字教室にも通い、願書を完成させました

合否に影響? 家族写真が必要なところも

「最初にやることは、願書に添付するための写真撮影。写真は『合否を左右する』と言われるほど重要なので、某老舗百貨店の写真室で撮りました。お値段は張るけれど腕前は確かで、啓吾がとても賢そうに撮れていてビックリ(笑)。今回は個人写真だけでなく家族写真も必要だったので、妹の桃花の分もフォーマル服を購入したり、主人の二重あごの線を消す修正料がかかったり(笑)、意外なところで出費がありましたね」

寄付金についてもアピール……

「願書は塾の講座で添削してくれるのですが、先生に『志望理由が弱い』『説明会で感じたことをもっと強めに』など、何度もダメ出しされました(苦笑)。それと、うちは主人が会社を経営していて、ある程度寄付金を出せるというのが強みだったので、それも書くように言われました。お金の話って学校側からは聞きにくいものなので、こちらから願書でアピールしなきゃいけないんです。何度も試行錯誤して、文案が完成するまで2ヶ月かかりました」

「願書をきれいな字で書くため、ペン字教室にも通いましたね。願書の書き方もいろいろと暗黙のルールがあって、ペンの太さは0.4mmがいいとか、印鑑が少しでも斜めになってしまったらダメとか、とにかく細かいんです。願書ってだいたい一部2,000円くらいなのですが、うちは書き損じ用に四部買って、四部目でようやく完成しました」

STEP4 受験まで残り2ヶ月! 11月の試験に向けて親子でラストスパート!

夏休みが終わると、受験本番まで残りわずか。多くの私立・国立小学校は11月に試験があるため、9月からはいよいよ終盤戦に入ります。子どもだけでなく親も面接の練習などがあり、忙しさはマックスに。

子どもは勉強の追い込み、親は面接のレッスン

「9月からは塾が週3ペースになり、週末もほとんどテストでしたね。塾ではテスト結果をもとに苦手分野を割り出してくれるので、そこを集中的に勉強。それでも難しい問題は家庭教師に教えてもらい、フォローしました。

塾では、親も面接の練習が始まります。質問の受け答えはもちろん、部屋の入り方から椅子の座り方、手の置きどころまで細かく指導されました。本番ではおもに主人が受け答えをするので、私はわりと気楽でしたが(笑)、夫婦でかなり練習しましたね。先輩ママのお宅にお邪魔して、面接官の役をやってもらい、リハーサルもしました」

STEP5 願書を提出し、いざ出陣!!

ついにお受験本番! 願書を提出すると学校から試験日程が送られてきます。ドキドキしながら過ごした試験直前の一週間、そして試験当日、合格発表……その結末やいかに? 

試験直前は親子でゆっくり過ごし、本番へ

「試験前の一週間は集中したかったので、桃花を実家に預けて啓吾とふたりで過ごしました。追い込みをかけるというより、気持ちを落ち着けながら面接の練習など、最終調整をしましたね。

そして試験当日。親の面接のほか、啓吾は1日目に行動観察、2日目にペーパーテストを受けました。行動観察は子どもの面接も兼ねていて、運動や体操をしている間に先生から『今日は何で来たの?』とか聞かれたみたいです」

試験が終わったらすぐ塾へ。仲間と情報を共有

1日目が終わったら塾に直行。みんなで集まり、子どもたちは試験内容のヒアリングを受けます。同じ学校を受けても1日目にペーパーテスト、2日目に行動観察という子もいるので、お互いの情報を共有するんです。問題の内容はもちろん違うけれど、2日目の試験の傾向が分かって助かりました」

緊張の合格発表、そして結果は……

「ドキドキで迎えた合格発表でしたが、結果は……不合格。もう、頭が真っ白になって放心状態でした。その後、泣きながら主人に電話して、塾にも報告しました。塾の先生からは『まだ受験できる学校があるけど、どう?』と言われたけれど、そんな気力はなかったですね。一方、啓吾は『不合格? そうなんだ~!』と、まったく気にしていなくて(苦笑)。私のほうがダメージは大きかったかもしれません」

あっという間の1年間、小学校受験を終えてみて……

「受験のおかげで啓吾も成長できたし、家族で過ごす時間も増えて、充実した一年だったと思います。ただ、やはり準備期間が短すぎましたね。通塾し始めて『ここができてない』『ここも足りない』っていうのが多くて大変でした。

あとは、ママ同士の人間関係もけっこう面倒だったかも(苦笑)。年度途中で入ったので、最初は『あの人、誰?』みたいな空気で。だんだん慣れて仲良くなれたけど、本番が近づくにつれ、余計なことは話さなくなり、もう……腹の探り合い(笑)。さらに受験後の慰労会で、『実はこっそり別の塾にも通ってた』『内緒で強力なコネを持っていた』なんて話がボロボロ出てきて……。私は何でもオープンに話すタイプだったのですが、自分の手の内は絶対に見せちゃダメなんだな、っていい勉強になりました」

塾だけで200万円超……受験費用はトータル300万円にも!

千明さんの場合、塾だけでも入会金・月謝・夏期講習代などを合わせて200万円以上。さらに家族全員分のフォーマル服代、願書用の写真代、受験料、家庭教師代など、もろもろ合わせるとおよそ300万円という金額に! もちろん人によってかける金額は違いますが、お受験組は金銭的に余裕のある人が多い……と言われるのも分かる気がします。

今回、赤裸々にお受験のことを語ってくれた千明さん。話を聞くだけでも大変そうなのに、それを感じさせない穏やかな笑顔が印象に残りました。やはり、お受験を乗り越えた母は強し!? 

そして近況はというと……リベンジするかのごとく、幼稚園年少になった桃花ちゃんを大手お受験塾に通わせ、小1になった啓吾くんは、すでに中学受験を目指して有名学習塾に入塾。お受験ママの戦いは、まだまだ続きそうです! 

取材・文/遠藤まゆみ

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