赤ちゃんのほっぺが赤いのは病気? 対策を知りたい【医師監修】

 専門家監修
公開日:2019/06/05
更新日:2019/06/26
赤ちゃんのほっぺが赤いのは病気? 対策を知りたい【医師監修】
監修
馬場直子先生
神奈川県立こども医療センター 皮膚科部長

この記事は、赤ちゃんや子供のほっぺが赤いときは病気なのか、病気だとしたら何が原因なのか、どう対処したらいいのかなどについて、ドクターのお話をまとめたものです。「りんごのようなほっぺ」といわれるように、赤ちゃんや子供のほっぺが赤くなっているのはかわいく見えますが、治療が必要な場合もあるので注意が必要です。

赤ちゃんのほっぺが赤いとは?

赤ちゃんのほっぺが赤いのは普通?

赤ちゃんのほっぺが赤い場合、血行がよくなっているだけということも多いものです。

赤ちゃんや子供は、皮膚の一番外側にある表皮の厚さが大人の皮膚の半分ほどしかありません。ですから、体温が上がって血行が良くなると、それが皮膚を透かして赤く見えるのです。

赤ちゃんの皮膚は大人に比べて薄いため、血行が良くなると、血液の流れが透けて赤く見えることがあります。

ほっぺ以外の全体の様子をよく見て

ただし、すべての場合について問題がないとはいえません。ほっぺがガサガサしていないか、体のほかの部分の状態はどうか、熱はないか、元気や食欲はあるかなど、いろいろな面から赤ちゃんの様子をよく見て、判断することがたいせつです。

ふだんの様子と変わったところはないか、よく観察しましょう。

赤ちゃんのほっぺ 片方が赤いのはなぜ?

肌トラブルの可能性が高い

赤ちゃんのほっぺの片側だけが赤い場合は、湿疹など、その部分に限定されたトラブルが考えられます。

少し赤くなっていたり、カサカサしている程度なら、毎日入浴時に石けんで洗い、その後に保湿剤できちんと保湿するホームケアを続けることで改善することがほとんど。ただし、こうした「清潔にして保湿する」基本のホームケアを続けていても治らなかったり、湿疹ができている場合は、治療が必要になります。

ガサガサやブツブツがあったり、1日中ずっと赤く治らない状態が丸1日以上続く、よりひどくなるようなら、1~2日のうちに皮膚科を受診しましょう。

湿疹ほっぺにポツポツと湿疹ができています

両側が赤い場合は感染症などの可能性も

一方、赤ちゃんのほっぺが右側も左側も赤いときは、肌トラブルの場合もありますが、体温が上がる何らかの要因があったり、感染症にかかっているなど、全身状態に関係していることも考えられます。

赤ちゃんの機嫌が悪いときは、具合が悪いことも多いもの。

赤ちゃんのほっぺが赤い 原因と対策

片側だけが赤い場合

生後2~3ヶ月ごろまでは脂漏性湿疹の可能性

生まれてすぐから生後2~3ヶ月ごろまでの赤ちゃんは、ママのおなかの中にいたときのホルモンの影響で皮脂の分泌が盛んです。

皮脂を分泌する皮脂腺は毛穴の入口近くにあり、過剰に分泌されると毛穴がつまりやすくなります。皮脂腺にも皮脂がたまるため、炎症を起こし、湿疹ができてしまいます。これを脂漏性湿疹といいます。

乳児脂漏性湿疹で、ほっぺを中心に赤くポツポツが。

生後3ヶ月以降は乾燥肌の可能性

生後3ヶ月を過ぎるころからは、ママからのホルモンの影響がなくなり、皮脂の分泌が急激に少なくなります。そのため、そのころから赤ちゃんの皮膚は乾燥しやすい状態に。

赤ちゃんの皮膚は、皮膚の一番外側にある表皮と、その表面にある角層が大人に比べて薄いため、外からの刺激を受けやすい(バリア機能が未熟)という特徴があります。さらに、生後3ヶ月以降の赤ちゃんは、皮脂が急激に少なくなって乾燥することでバリア機能がより低下するため、さらにバリア機能が弱くなり、ちょっとした刺激でも炎症を起こしやすくなります。

例えば、エアコンの風や寒い時期の外出時に冷気に触れることなどでも乾燥が進むので、気をつけてあげましょう。

赤ちゃんは、表皮も角層も大人の半分程度の厚さしかありません。

よだれや寝具、衣服によるこすれなども刺激に

乾燥しやすくなってバリア機能が低下した赤ちゃんの皮膚には、寝ているときに下側になったほうのほっぺによだれが流れたり、寝具でこすれたりすることも刺激となってしまいます。

 赤ちゃんによっては、左右どちらかを向きやすいことがあり、寝ているときに反対方向を向かせても、いつの間にかまた元の方向を向いていることも。布団で寝ているときだけでなく、外出時に抱っこをしているときにも同じ方向を向いてしまい、衣服にこすれて炎症を起こすこともあります。

 また、母乳やミルク、離乳食などがついたり、吐き戻した汚れが残っていて刺激になることもよくあることです。

同じ方向を向いて寝るくせがある場合は、下になったほうのほっぺに肌トラブルが起こることが。

清潔にして保湿することが対策の基本

毎日の入浴でしっかり皮脂や汚れを洗い、入浴後はすぐに顔用の保湿剤で保湿することがホームケアの基本です。

それ以外にも、朝起きたときやお昼寝から目覚めたとき、授乳や離乳食のあとなどに、こまめにほっぺや口周りをふいてあげましょう。このときも、保湿剤でしっかり保湿を。授乳や離乳食の前に口の周りにワセリンを塗っておくと、汚れがつくのを予防できます。

刺激になるため、ふくときにゴシゴシこするのはNG。やさしく、押すようにしてふきとります。また、ガーゼハンカチは意外に織り目が粗く、刺激が強いので、やわらかいぬれタオルを使うのがおすすめです。

保湿剤を塗りたい範囲に等間隔にちょんちょんと置き、塗り広げていきます。

両側が赤い場合

室温や衣服の着せすぎが原因かも?

それほど熱がなく、元気や食欲があるなら、室温が高かったり、衣服の着せすぎで体温が上がっているのかもしれません。赤ちゃんは自分で「暑い」と訴えられないので、エアコンの室温設定を調節したり、薄着にさせたりして、様子を見てみましょう。

入浴で体が温まりすぎた場合も

入浴後など体が温まった場合も、ほっぺが赤くなりやすいときです。赤ちゃんは大人より体が小さく、すぐに温まります。のぼせたり、あせもができやすくなるのを防ぐためにも、お湯の温度は38~40度ぐらいにして、浴槽に入っている時間も短めにしましょう。

風邪など感染症にかかっている

常にほっぺが赤くて治まらない場合は、熱があるかもしれません。微熱程度で元気も食欲もあれば、特に問題はありませんが、せきや鼻水がひどい場合はもちろん、動きたがらない、食べたものを吐く、機嫌が悪いなど、いつもと様子が違う場合は、受診が必要です。

赤ちゃんのほっぺが赤いときに考えられる病気 

片側だけが赤い場合

湿疹をかきこわしてとびひに?

カサカサや湿疹をそのままにしておくと、かきこわしたところから細菌が侵入して「とびひ」になることがあります。

赤ちゃんや子供のとびひは、鼻の中やのど、皮膚などにだれもが持っている「黄色ブドウ球菌」が原因のことがほとんど。湿疹をかきこわしたところにやわらかい水ぶくれができ、強いかゆみが生じます。

水ぶくれはかくとすぐにつぶれますが、その中の液には黄色ブドウ球菌が含まれているため、手についたままほかの部位を触ると、そこに感染してまた水ぶくれができてしまいます。こうして、火が広がるようにあっという間に全身に広がるのがとびひの特徴です。

水ぶくれがつぶれてかさぶたができた状態。

水ぶくれを見つけたら患部をおおって早急に受診

とびひはまたたく間に広がってしまうので、水ぶくれを見つけたら、すぐにガーゼや包帯などでおおい、かきこわさないようにして皮膚科を受診しましょう。ガーゼや包帯がなければ、清潔なタオルでもかまいません。とにかく、水ぶくれをつぶさないようにすることがたいせつです。

大小さまざまな大きさの水ぶくれができています。

治療は抗菌薬の塗り薬などで

とびひは細菌感染のため、抗菌薬(抗生物質)の塗り薬での治療が基本ですが、抗菌薬の飲み薬を併用する場合もあります。

水ぶくれができたところに抗菌薬を塗り、ガーゼなどでおおって1日1~2回取り替えます。多くの場合は、きちんとケアをすれば、4日~1週間ほどで治ります。

とひびで処方される抗菌外用薬には、菌の活動を抑える効果があります。

両側が赤い場合

風邪をひいて発熱した?

まずは熱を測ってみて

最も考えられるのは、風邪をひいて熱が出た場合です。体温を測って確認してみましょう。衣服を着せすぎていて体がほてり、体温が高く出ることもあるので、着せすぎていたら薄着にさせ、しばらくしてから測ってください。

汗をかいていたらふきとります。耳式体温計の場合は何回か測ってみましょう。

直接治す薬はないので安静に

風邪はウイルスの感染によって起こるため、直接治す薬はありません。微熱程度で元気があり、食欲も落ちていないようであれば、室内で安静に過ごしながら様子を見てかまいません。発熱すると体から水分が失われやすくなるので、こまめに水分を補給してあげましょう。

ただし、元気がなくぐったりしている、食欲がなくなった、吐き気がある、熱が高いなどの場合は、できるだけ早く小児科を受診してください。

母乳やミルクのほか、麦茶や湯冷ましなどで水分補給を。

りんご病の可能性も

ほっぺが赤くなったあと体に発疹が出る

「りんご病」は、正式には「伝染性紅斑」といい、ヒトパルボウイルスB19というウイルスが原因で起こる病気です。両方のほっぺがりんごのように赤くなり、チョウチョのような形の発疹が出ることから、りんご病と呼ばれています。

りんご病の場合は、ほっぺが赤くなったあと、腕や太ももなどにレース状の発疹が出ます。ウイルスが感染力を持つのは発疹が出るまでの間ですが、その後も入浴で体が温まったり、日光に当たると発疹が出ることがあります。

熱は出ないか、あっても微熱であることが多く、比較的軽い病気で治療の必要はありません。室内で静かに過ごしましょう。

りんごほっぺにまだら状の紅斑ができています

イラスト/福井典子

症例写真出典/はじめてママ&パパの0~6才病気とホームケア

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出典 :はじめてママ&パパの 0~6才 病気とホームケア※情報は掲載時のものです

監修
馬場直子先生
神奈川県立こども医療センター 皮膚科部長
滋賀医科大学卒業。横浜市立大学皮膚科などを経て、1994年神奈川県立こども医療センター皮膚科医長、2002年より現職。日本皮膚科学会、日本小児皮膚科学会、日本臨床皮膚科学会会員。的確な診察とわかりやすい説明で、ママたちに信頼されています。

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