【小児科医監修】赤ちゃんの鼻づまりで咳が出るとき・解消法&対策法

 専門家監修
公開日:2019/05/28
更新日:2019/05/29
【小児科医監修】赤ちゃんの鼻づまりで咳が出るとき・解消法&対策法
監修
鈴木 洋先生
鈴木こどもクリニック院長

この記事は、赤ちゃんの鼻づまりと、それに伴う咳についてまとめたものです。「鼻かぜかと思っていたら、咳も出始めた。病院に行ったほうがいいの?」と心配になること、ありますよね。鼻づまりと咳の原因、そして解消法をご紹介します。

赤ちゃんの鼻づまりの原因

赤ちゃんがなぜ鼻づまりを起こすのか、まずその原因と解消法について、知っておきましょう。

鼻の粘膜の下には、毛細血管というとても細い血管が通っています。この毛細血管が腫れて起こるのが、鼻づまりです。赤ちゃんの鼻づまりが起こる原因はさまざま。原因によって、対処法も異なります。

原因その1/かぜ

かぜの原因になるウイルスが鼻の中に入ると、まずそのウイルスを体の外に出そうとして鼻水が出ます。そのウイルスが外に出ずに鼻の粘膜にくっついて炎症を起こすと、毛細血管が腫れて鼻づまりが起こります。

<解消法&対処法>

かぜが原因の鼻づまりは、たいてい1週間ぐらいで治ります。鼻をあたためたり、加湿したりすると鼻の通りがよくなります。鼻づまりが苦しそうなときは、以下のような対処法を試してみましょう。

・鼻の付け根にあたたかいタオルを当てる

・おふろで蒸気を吸わせる

・空気が乾燥する季節は加湿器を使う

・ぬれたタオルや洗濯物などを室内に干す

原因その2/アレルギー反応

 アレルギーの原因であるホコリや花粉などの異物を鼻から吸い込むと、鼻の中でアレルギー反応が起こります。その結果として出てくるのが鼻水、くしゃみ、そして鼻づまりです。

「なかなか鼻づまりが治らない」「かぜは治ったようなのに、鼻づまりだけが続く」ときは、アレルギーが原因の可能性が高いでしょう。

 ただし、1歳未満の赤ちゃんが鼻のアレルギーになることは、まずありません。

<解消法&対策法>

 アレルギーの原因になる物質をできるだけ生活環境から減らすのが一番。鼻づまりで呼吸がしにくいような場合は、抗アレルギー薬、抗ヒスタミン薬、ステロイド点鼻薬などの処方薬で治療をします。アレルギー反応による鼻づまりには、環境整備を心がけます。

・こまめに掃除をする

・窓を開けて換気をする、空気清浄機を使う

・寝具にも掃除機をかける

・ダニやカビの温床になりやすいカーペットは使わない

・ペットは飼わない。すでにペットを飼っている場合は一緒に寝ないなど、生活空間をできるだけ分ける

・ぬいぐるみなどのホコリがつきやすいおもちゃはこまめに洗う

原因その3/副鼻腔炎

鼻の両側の骨に囲まれた空洞にウイルスや細菌が感染すると、副鼻腔炎になります。かぜのあとに発症する急性副鼻腔炎と、それが慢性化する慢性副鼻腔炎(蓄膿症)があります。

<解消法&対処法>

ネブライザー吸入(薬を空気に混ぜて、鼻に送り込みます)、飲み薬の抗ヒスタミン薬や抗炎症薬などの処方薬を使って治療します。

原因その4/中耳炎

 耳の中の「中耳」と呼ばれる鼓膜の部分に病原菌が感染して炎症が起きた状態です。耳に水が入ることから発症すると考える人がいますが、これは間違い。感染の原因となる病原菌は、鼻やのどの奥からやってきます。鼻やのどで増えた病原菌が、耳管を通って中耳に入ることで起きるのです。

主な症状は38度ぐらいの発熱、耳の痛み、耳だれなどですが、鼻づまりの症状が現れることもあります。

<解消法&対策法>

 軽い中耳炎の場合は、抗菌薬を飲んで治療します。ウミがたまって鼓膜のはれがひどい場合などには、鼓膜を切開してウミを出すこともあります。

原因その5/アデノイド

鼻の奥のアデノイドという部分が大きくなって鼻づまりを引き起こすこともあります。アデノイドは2歳ぐらいから大きくなり始めるので、赤ちゃん時代にアデノイドが原因で鼻づまりが起こることはまずないでしょう。アデノイドは5歳ぐらいをピークに肥大化し、その後は少しずつ小さくなり、大人になるとほとんど見られなくなります。

<解消法&対策法>

軽い場合は様子を見ますが、睡眠時無呼吸症候群を起こす、中耳炎や副鼻腔炎を繰り返すような場合は、手術を検討します。

赤ちゃんの鼻づまりで咳が出るのはなぜ?

原因として多いのは副鼻腔炎ですが……

さて、「鼻づまりによって、咳が出るかどうか」ですが、答えはYES。鼻水がのどに流れると、その刺激で咳が出ることがあります。

かぜやアレルギーなど、鼻水が出ているなら咳も出る可能性がありますが、中でも多いのは副鼻腔炎によるものです。

副鼻腔というのは鼻の両脇にある4つの小さな空洞ですが、2~3歳になると空洞は小指の先ぐらいの大きさに発達します(これ以前の赤ちゃんは、炎症を起こすほど副鼻腔が発達していません)。ですから、副鼻腔炎による鼻づまりや、それに伴う咳が出てくるのは、早くても2歳以降ということになりますね。

鼻の両側の、骨に囲まれた部分が副鼻腔。0~1歳のころはとても小さく、炎症を起こすことはまずない。

副鼻腔炎には急性と慢性とがありますが、ほとんどはかぜの後に発症する急性副鼻腔炎です。急性副鼻腔炎をほうっておくと慢性副鼻腔炎に移行したり、中耳炎になったりすることがあるので、早めに受診しましょう。

<副鼻腔炎の解消法&対策法>

副鼻腔炎の処置として病院で行うのは、鼻水を吸引する、抗ヒスタミン薬や抗炎症薬を吸入させる、などです。家庭でもこまめに鼻水を吸い取ってあげると、咳も軽くなっていくでしょう。

粘り気のある鼻水が出る場合、鼻づまりで息が苦しい場合などは、熱くない程度の蒸しタオルを鼻に当てて、蒸気を吸わせてあげるとよいでしょう。

2歳未満なら原因はかぜが多い

副鼻腔炎になると鼻づまりとともに咳が出ることがありますが、実は赤ちゃん時代に「鼻づまりが原因で咳が出る」ことは、あまりありません。もしそのように感じるのであれば、それは「鼻づまりと咳の症状が出るかぜをひいている」ケースがほとんどでしょう。

鼻水はこまめにふき取ったり吸いとったりし、鼻水をふきとった後は、ワセリンやオイルをぬって肌を保護するとよいでしょう。

せきが続くときは、背中を軽くトントンとたたく、寝かせるときに上半身を起こすようにする、室内を加湿する(湿度50%が目安)、こまめに換気するなどの対策が有効です。

イラスト/長岡伸行 イラスト出典/「はじめてママ&パパの0~6才病気とホームケア」

出典 :はじめてママ&パパの 0~6才 病気とホームケア※情報は掲載時のものです

監修
鈴木 洋先生
鈴木こどもクリニック院長
信州大学医学部卒。東大病院、愛育病院勤務などを経て、90年に鈴木こどもクリニック(東京都墨田区)を開院。地域の子どもたちの頼りになるかかりつけ医として、「ぞうさん先生」のニックネームで親しまれている。

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