乳児湿疹で肌が赤い・カサカサのホームケア&体験談【医師監修】

 専門家監修
公開日:2019/05/23
乳児湿疹で肌が赤い・カサカサのホームケア&体験談【医師監修】
監修
馬場直子先生
神奈川県立こども医療センター 皮膚科部長

この記事は、カサカサする乳児湿疹についてまとめています。赤ちゃんの肌は大人に比べてとてもデリケート。肌トラブルがつきものといってもいいほどです。肌が赤くなったり、カサカサする前にできることや、なってしまったときのケア方法などについてまとめました。

乳児湿疹で赤ちゃんの肌が赤い・カサカサする原因は?

そもそも乳児湿疹とは?

「乳児湿疹」とは、赤ちゃん(乳児)にできる湿疹の総称で、月齢や原因によってできる部位や症状には違いがあります。

生まれて3ヶ月ごろまでの赤ちゃんは、おなかの中にいるときにママからもらったホルモンの影響が残っていて、皮脂の分泌が盛んです。多量な皮脂は毛穴につまって皮脂腺にたまり、炎症を起こして湿疹ができやすい状態になります。

皮脂は皮膚の表面にあって、体内の水分が出ていくのを防ぐ役割をしていますが、多すぎても少なすぎてもトラブルにつながります。

このころの湿疹の代表的なものは2つ。ベタベタした脂やフケのようなものがついたり、かさぶた状のものがこびりつく脂漏性湿疹と、ほほやひたいなどに赤いポツポツができる新生児ニキビです。

カサカサの原因は、生後3ヶ月以降の皮脂量の激減

生後3ヶ月ごろからは、ママからもらったホルモンの影響がなくなって、皮脂の分泌が急激に減り、皮膚が乾燥しやすくなります。

皮膚が乾燥すると乳児湿疹になりやすい理由

「大人の肌はガサガサしたり、キメが粗かったりするけれど、赤ちゃんの肌はプルプルで水分たっぷり」というイメージがありますが、実はまったく逆。赤ちゃんや子供は、皮膚の一番外側にある表皮の厚さが大人の半分程度しかなく、さらに表皮の表面にある角層も薄いため、大人に比べると外からの刺激を受けやすい(バリア機能が未熟な)のです。

それに加えて、皮膚表面をおおって有害物質の侵入や水分が出ていくのを防いでいる皮脂が少なくなると、皮膚が乾燥して、バリア機能はさらに弱まってしまいます。すると、ちょっとした刺激で炎症を起こし、赤くなったり、湿疹ができやすくなります。

バリア機能が弱まった皮膚には、外からアレルゲンも侵入しやすくなります。アレルゲンが角質層の中まで侵入すると、アトピー性皮膚炎を発症することもあるので、日ごろからのスキンケアが重要です。

顔だけでなく、背中にも湿疹ができて赤くなった状態。

湿疹でカサカサするとかゆみも出やすくなる

人間の皮膚は外側から表皮、真皮、皮下組織の3層になっています。正常な皮膚では、かゆみを感じる神経は表皮と真皮の境界あたりまでしか伸びていませんが、湿疹などでカサカサした皮膚では、かゆみを感じる神経が皮膚の表面近くまで伸びてきます。そのため、外からの刺激に敏感になり、少しの刺激でもかゆみを感じるようになります。

乳児湿疹でカサカサ!先輩ママの体験談

引っかいては再発するのを繰り返し、半年ほどで完治

生後4ヶ月ごろ、入浴後に保湿剤を塗っているときに、ひじや耳たぶの上のほうがカサカサしていることに気づきました。数日様子を見ていましたが、どんどんひどくなるので、小児科を受診。ステロイド剤のアルメタ軟膏を処方され、1日2回塗るように指示がありました。

薬を塗り始めて1週間ほどでよくなりましたが、耳たぶは眠いときなどに引っかくため、治ったと思っても何度もぶり返しました。最終的にはある日突然かかなくなり、半年ほどでカサカサしなくなりました。(1歳3ヶ月の女の子のママ)

先生の指示どおりステロイド剤を使ってきれいに

生後2ヶ月ごろ、顔全体がカサカサして赤くなりました。特にほほがひどく、かゆみもあったのか触るので、ミトンをさせました。2日ほど様子を見ていましたが、明らかにひどくなっていると感じ、皮膚科を受診することに。

「入浴後にステロイド剤を塗るように」と、キンダベート軟膏が処方され、指示どおり使っていたら、1週間ほどでだいたいきれいになりました。ただ、「いきなりステロイド剤をやめると、また症状が出ることがあるので、よくなっても症状が出たら1日おき、2日おきなどと徐々に間隔を広げて使い、完治を目指しましょう」という指示もあったので、3週間ほどはステロイド剤を使っていました。(2歳6ヶ月の女の子のママ)

乳児湿疹でカサカサしたときのケア

皮膚が乾燥するとバリア機能が弱くなり、炎症を起こしやすくなるため、カサカサしているのを放置しているとさらに悪化してしまいます。刺激となる皮膚についた汚れなどを落とし、保湿剤を使って乾燥を防ぐことがホームケアの基本です。

カサカサ状態が治ったあとも、この基本を守ることで皮膚の乾燥を防ぎ、肌トラブルを予防することができます。

ホームケアの基本1 清潔にする

赤ちゃんは肌が汚れやすいので1日1回は入浴を

赤ちゃんは新陳代謝が活発で、新しく生まれた細胞が皮膚表面に押し出され、アカとなって自然に剥がれ落ちていく「ターンオーバー」が大人よりも短いサイクルで起こります。その分、体が汚れやすいので、1日1回は必ず入浴させてあげましょう。

新陳代謝が活発な赤ちゃんは、1日1回入浴させて全身を石けんできれいに洗いましょう。

入浴時のポイント

湿疹ができていても石けんで洗う

入浴時は、お湯で流すだけでなく、石けんを使って体をきれいに洗います。石けんを手のひらでよく泡立て、指の腹でやさしく洗いましょう。1歳を過ぎたら、やわらかい綿のタオルなどに泡を移して洗ってもかまいません。刺激になるので、ガーゼや体を洗うミトンなどを使ってゴシゴシ洗うのは避けましょう。

指の腹や手のひら全体を使って、やさしく洗います。

しわやくびれの中まできれいに

首にしわができていたり、手首やひざの内側などがくびれている場合は、そこにホコリや汚れがたまることも多いもの。入浴時にはしわを広げるなどして、中まできれいに洗ってください。

首のしわやひじ、ひざの裏なども指の腹を使ってていねいに。

洗ったあとはしっかり石けん成分を洗い流す

石けんの成分が残っていると刺激になって、湿疹が悪化することもあります。シャワーなどを使って体についた泡をきれいに流しましょう。このときも、しわやくびれの部分に泡が残らないように気をつけます。

石けん成分が残ると刺激になるので、しっかり洗い流して。

かゆみがある場合はお湯をぬるめに設定

湿疹でカサカサした皮膚にとっては、体があたたまるのも刺激の1つです。あたたまりすぎるとかゆみが強くなるので、お湯の温度は40度以下のぬるめの設定にしましょう。

入浴後はやわらかいタオルで押すようにふく

おふろから出たら、ふんわりしたタオルで体を包むようにして、上からやさしく押すように水分を取りのぞきます。タオルを動かしてゴシゴシふくと、皮膚とタオルがこすれて刺激になってしまうので、気をつけて。

バスタオルで体を包み、軽く押すようにして水分をふき取ります。

日常生活でのポイント

顔周りはこまめにふく

赤ちゃんは母乳やミルクを飲んだり、離乳食を食べたりするのも、まだうまくできません。授乳時に口から母乳やミルクがあふれたり、離乳食をこぼしたりして、日常的に口の周りが汚れます。

口からあふれたミルクがほほや首に流れることはよくあります。

離乳食が始まる5~6ヶ月ごろからは、よだれの量もふえてきます。ねんねの間によだれがほほを伝って流れるのもよくあること。

こうした汚れをそのままにしておくと刺激になるため、食後や朝起きたとき、お昼寝から覚めたときなどには、顔の周りをやわらかいぬれタオルでやさしくふいてあげましょう。

手のひら、首のしわ、手足のくびれ部分もきれいに

低月齢の赤ちゃんは手を握っていることが多く、ホコリなどがたまることがありますし、月齢が上がってくると、離乳食を手でつかんだりすることもふえてきます。

ニギニギした手の中には、ほこりなどが。

運動量がまだ少ないねんね期の赤ちゃんの場合は、体つきがムチムチとして首にしわができていたり、手足に輪ゴムをはめたようにくびれができていたりすることも。そうしたところもホコリや汚れがたまりやすい部分です。

ホコリや汚れも皮膚への刺激になるので、顔周りをふくときにこうした部分も一緒にふいてあげるといいでしょう。

ホームケアの基本2 保湿する

体を石けんで洗ったり、ぬれタオルでふいたりすると、体内の水分が蒸発するのを防ぐ皮脂も一緒に取りのぞかれてしまい、乾燥しやすくなります。体をふいたら、5~10分以内に保湿剤を塗りましょう。

湿疹でカサカサしている皮膚にはクリームやオイルを

保湿剤にはローション、クリーム、オイルなどの剤型がありますが、ローションはもっとも水分が多く、軽いタイプ。皮膚がカサカサしている場合には、油分が配合されているクリームやオイルが向いています。

クリームは、水分を補いながら油分で乾燥を防いでくれますし、オイルは、皮膚に油の膜を作って体内の水分が蒸発しないよう守ってくれます。

油分でできていてクリーム状のワセリンも、皮膚にふたをして水分が逃げないようにする作用があります。クリームやオイルよりも皮膚をガードする効果が高く、傷があるところにも塗れるので、安心して赤ちゃんに使うことができます。ローションを使う場合は、上からワセリンを塗ると効果的。薬局などで購入できるので、常備しておくといいでしょう。

量の目安は1円玉大を大人の手のひら2枚分に塗る

手のひらに保湿剤を1円玉大に出してから、大人の手のひら2枚分の範囲に塗り広げます。大人の手のひら2枚分は、生後3ヶ月の赤ちゃんの首の下からおなか全体をおおうぐらいにあたります。

生後3ヶ月の赤ちゃんの場合、大人の手のひら2枚分はこの範囲。

いきなり塗り始めず、等間隔に置いてから広げる

塗りムラを防ぐため、塗りたい範囲にちょんちょんと同量の保湿剤を等間隔に置き、それぞれをその周りに塗り広げるようにします。首のしわや手足のくびれの中なども、忘れないようにしてください。

塗りたい範囲に保湿剤を等間隔に置いてから、塗り広げましょう。

体を洗うときと同じように指の腹を使って、やさしく円を描くようにして塗ってあげましょう。

口周りはワセリンでガード&トラブル予防

授乳や離乳食で汚れがつきやすい口周りをふいたあとには、ワセリンで刺激から皮膚をガードしましょう。あらかじめ食事の前に塗っておくと、食べかすや調味料などが口の周りにつくことも防げます。

ホームケアの基本3 低刺激を心がける

湿疹ができてカサカサしている皮膚は、刺激に敏感になっています。そのため、入浴時だけでなく、日常生活のさまざまな面で刺激をなるべく与えないようにすることが大切です。

ガーゼは使わない

ガーゼのハンカチは、その吸水性のよさから、赤ちゃん用品のリストに挙げられていることが多い製品です。しかし、ガーゼ生地はふつうの綿生地に比べると織が粗く、表面をなめらかにする加工もされていないため、皮膚への刺激になることがあります。

赤ちゃんの顔や体をふくときには、綿100%のやわらかいタオル素材のものを使うようにしましょう。

入浴後だけでなく、ふだんの生活でも、ガーゼよりも肌当たりがやさしいタオルがおすすめ。

肌着は綿100%を選び、必ず着せる

綿は通気性がよく、汗を吸い取る素材です。赤ちゃんの肌に直接触れる肌着は、綿100%のものを選びましょう。肌着の上に着せる衣服についても、できるだけ綿100%のものがおすすめです。

赤ちゃんの肌着には、外側に縫い目があるという、大人の肌着にはない特徴があります。これは、肌に縫い目が当たらないようにするため。肌着以外は大人と同じように縫い目が内側になっているので、直接着せると肌に当たって刺激になる可能性があります。必ず肌着を着せてから衣服を着せるようにしてください。

肌着は、吸湿性、通気性にすぐれた綿100%が基本です。

部屋の乾燥を防ぐ

空気が乾燥していると、水分が蒸発しやすくなります。すると、カサカサになった皮膚からますます水分が失われ、より刺激を受けやすくなるので、赤ちゃんが過ごす部屋が乾燥しないように気をつける必要があります。

「冬は乾燥しやすい」というのはよく知られていますが、夏もエアコンの使用によって乾燥しやすくなっています。加湿器を使ったり、室内に濡れタオルを1枚干すなどして、湿度50%程度を保つようにしましょう。

加湿器を使わなくても、タオルなどを干すことで加湿できます。カビの原因になるので、湿度50%を目安にして。

冷気も刺激になるので注意

冷気が体に当たると体内の水分が蒸発しやすくなるため、寒い時期に外出するときは手足などの露出を避けましょう。外出後は顔や手足などをやわらかいぬれタオルでふいたあと、クリームなどで保湿を。

夏も、エアコンの冷気が赤ちゃんに直接当たらないように、ねんねする場所などには気をつけてください。

乳児湿疹の原因と症状は?スキンケア方法と薬の使い方【皮膚科医監修】
乳児湿疹の原因と症状は?スキンケア方法と薬の使い方【皮膚科医監修】
この記事では「乳児湿疹」についてくわしく解説します。赤ちゃんの肌は、すべすべできれい、というイメージがありますね。でも、赤ちゃんの肌はとてもデリケートで、乳児湿疹ができることが意外に多いのです。多くの赤ちゃんが経験する乳児湿疹ですが、一時的なことが多く、きれいに治るケースがほとんどです。適切なスキンケアを知って、早く治してあげたいですね。
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写真出典/はじめてママ&パパの病気とホームケア・赤ちゃんが必ずかかる病気&ケア

監修
馬場直子先生
神奈川県立こども医療センター 皮膚科部長
滋賀医科大学卒業。横浜市立大学皮膚科などを経て、1994年神奈川県立こども医療センター皮膚科医長、2002年より現職。日本皮膚科学会、日本小児皮膚科学会、日本臨床皮膚科学会会員。的確な診察とわかりやすい説明で、ママたちに信頼されています。

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