【医師監修】赤ちゃんのあせもの治し方・予防・ケア方法【症例写真あり】

 専門家監修
公開日:2019/04/05
更新日:2019/04/08
【医師監修】赤ちゃんのあせもの治し方・予防・ケア方法【症例写真あり】
監修
馬場直子先生
神奈川県立こども医療センター 皮膚科部長

この記事は、赤ちゃんのあせもの原因や症状などをまとめたものです。汗をたくさんかく時期にできやすいのがあせも。赤ちゃんの体にいつの間にかびっしりできていた、という経験をしたママもいるのではないでしょうか。早めに対処すれば、つらいかゆみから赤ちゃんを守ってあげられます。原因や症状、治し方、ホームケア、予防法などについて、知っておきましょう。

赤ちゃんのあせもの原因と症状

皮膚がふやけて汗腺がふさがるのが原因

皮膚には、汗の出る穴・汗腺(かんせん)があります。実は、赤ちゃんの汗腺の数は、大人とほぼ同じ。小さな体に大人と同じ数の汗腺があって汗をかくため、いわゆる「汗っかき」の状態になりやすいのです。

汗をたくさんかくと皮膚がふやけます。すると、汗の出る穴がふさがれてしまい、汗が皮膚の内側にたまります。汗の成分には尿酸やアンモニアが含まれているため、これが刺激になって皮膚の内側で炎症を起こし、直径2~3㎜の発疹ができます。これがあせもです。

小さな赤い発疹が広がる

あせもの特徴は、同じぐらいの大きさの赤い発疹がポツポツと並ぶことです。できやすい部位は、ひたいやわきの下、首のシワや手足のくびれた部分など、汗をかきやすく、たまりやすいところ。ねんねのときに蒸れやすい背中や後頭部、首の後ろ側なども、よく見られる部位です。

背中にできたあせも。ブツブツして赤みも強い状態です。

首から胸まで広がったあせも。

かゆみがあるため、赤ちゃんは無意識のうちにかきむしり、かきこわしてしまうことも。そこから細菌が感染すると、うみが溜まって熱が出る「あせものより」や、火が飛び移るように全身に水疱が広がる「とびひ」になることもあります。

赤ちゃんのあせもの予防法

あせもの予防法は「かいた汗をそのままにしない」のがポイント。肌を清潔にし、洗ったりふいたりした後は油分の少ないさっぱりした化粧水のような保湿水か、さらっとしたローションで保湿し、吸湿性と通気性のよい薄手の綿素材の肌着に着替えましょう。

あせもの予防&ケアは清潔から

1日1回は入浴する

1日1回は入浴して体を清潔にしましょう。あせもができていると、「石けんが刺激になるかも」と考えて、お湯で流すだけにしようと思うかもしれません。でも、あせもができているならなお、しっかりと汗や汚れを落としたいもの。きちんと泡を洗い流せば刺激になることはないので、石けんを使いましょう。

石けんや液状のボディソープは、手のひらでよく泡立ててから使います。ゴシゴシこすらず、指の腹を使ってやさしく洗って。汗がたまりやすい首のシワや手足のくびれたところは、指で広げるようにして洗いましょう。

くびれやしわの部分は伸ばして、すみずみまで洗いましょう。


暑い時期の外出後は汗を流す

暑い時期にお散歩や外遊びで汗をかいたら、綿100%のやわらかいタオルを水に濡らしてしぼり、こすらないように押しぶきしてあげましょう。帰宅後は、すぐにシャワーで汗を流して。そのままにしておくと、あせもの原因になってしまいます。

夏はこまめに汗を流して、肌に汗を残さないようにします。

しっかり保湿で肌をトラブルから守る

あせも予防は汗を残さないことがポイントですが、汗や汚れを石けんで洗い流した後の肌はとても無防備です。そのままにしておくと、細菌や空中を浮遊するアレルゲンが入り込んだり、ちょっとした刺激でトラブルになったりしかねません。清潔の後は常に保湿を心がけましょう。

保湿には、ローションなどの保湿剤を使います。量の目安は「1円玉大の量を、大人の手のひら2枚分にのばす」のが基本です。

保湿剤は、1円玉大の量を大人の手のひら2枚分に広げます。

大人の手のひら2枚分は、赤ちゃんの胸とおなかをおおうぐらいの範囲。

保湿剤は塗りたい範囲に等間隔に置き、まんべんなくのばしていきましょう。目の周囲やしわの中など、塗り忘れやすい部分にもていねいに塗り広げます。

ケアにおすすめの保湿剤は?

保湿剤にはローションやクリーム、オイルなどの剤型があります。香料や添加物が少ないベビー用のものを使いましょう。

夏におすすめ/ローション

暑い時期には、保湿剤の中で最も水分が多いローションがおすすめです。さらっとした使い心地でベタベタしません。

冬におすすめ/クリーム、オイル

寒い時期には、水分を補いながら脂分で乾燥も防いでくれるクリームや、油が皮膚に膜をつくって乾燥を防いでくれるオイルを。オイルには水分が含まれていませんが、体の中から水分が出て行かないように守る働きがあります。蒸れやすいおむつの中のあせも対策にもおすすめです。

さらに効果的に/ローション&オイルのダブル使い

よりしっかりケアしたいときには、ローションで水分を補ってからオイルを塗りましょう。体の中の水分だけでなく、ローションで補った水分もオイルが肌にとどめてくれます。

その他の予防&ケア

ホームケアは常に心掛ける

あせもができそうなときだけ一生懸命「清潔」や「保湿」をするのではなく、ホームケアは日常的に心がけましょう。それがあせもの予防につながりますし、できかけの軽いあせもなら悪化させずに治ることも少なくありません。

通気性のよい衣服を着せる

あせもの予防やケアには、衣服の通気性も大切です。綿素材で、風通しのよいデザインのものを選んで着せてあげましょう。ポロシャツなど襟がついたものより、襟ぐりが広く空いたTシャツなどがおすすめです。ぴったりサイズよりもややゆとりのあるものの方が、あせも予防には効果的です。

外気温によって室温を調節する

室温はエアコンで調節しましょう。暑い時期の室温は、外気温-5度ぐらいが適温です。寒い時期も、室温を高くしすぎるとあせもができる原因になるので、23~25度ぐらいを目安に。最近は部屋の暖めすぎや着せすぎで、冬にあせもを作る子が増えています。

赤ちゃんのあせもの注意点

「汗をかかせないようにする」のは×

「汗をかくとあせもができる」ということから、「汗をかかせないようにすれば、あせもができなくていいのでは?」と考えるかもしれませんが、あまり不自然なことをするのはおすすめできません。

赤ちゃんの汗腺の数は大人とほぼ同じですが、最終的な数は3歳ぐらいまでに決まります。つまり、赤ちゃんの段階では、まだ汗腺は発達途上です。そして、幼児期に汗腺の発達が終わると、もうそれ以上数は増えません。

汗腺は暑い地域で育つと発達しやすく、寒い地域で育つと発達しにくいといわれます。寒い地域に生まれて一生そこに暮らすならいいかもしれませんが、赤ちゃん時代に汗をかく経験が少ないと、成長してもうまく暑さに対応できなくなることがあります。

外に出かけず、冷房で冷え冷えの室内にずっととどまってあせもを予防するというのは、赤ちゃんの健やかな成長のためにいいことではありません。暑い時期にもなるべくお散歩や外遊びに出かけ、しっかり汗をかく経験をさせましょう。帰宅したらかいた汗をシャワーで流して、きちんと保湿すればいいのです。

暑い時期もなるべく涼しい時間帯を選んで外出し、汗をかく機会をつくりましょう。

ベビーパウダーは無理に使わなくてもよい

ひと昔前には、入浴後にベビーパウダーを使うことがありました。ベビーパウダーは汗を吸って肌をサラッとさせてくれますが、ぬれた肌につけると、汗の出口をふさいで逆効果になることがあります。

パフでパタパタとはたくのではなく、ごく薄くのばすようにつければいいのですが、加減がわからない人が多いようです。赤ちゃんが粉を吸いこんでしまうことも心配なので、わざわざ使わなくてもいいでしょう。

あせもで病院に行く目安

ホームケアで様子を見る。市販薬を使ってみても

軽いあせもや、あせもができかけている時は、ホームケアで様子を見ましょう。

前述のように、ホームケアの基本は「汗を洗い流す、ふきとる」ことと、そのあとの保湿です。清潔にしたあとに、市販のあせもケアの薬を塗ってもいいでしょう。赤ちゃん用、子供用のものが売られています。取り扱い説明書にある用法用量を守って、やさしく塗りのばします。

ホームケアでの様子見は1週間が目安です。しばらくホームケアを続けても

・あせもがよくならない

・あせもの範囲が広がってくる、赤みが強くなる、かゆみが強くなるなど悪化していく様子がある

・すでに広範囲に広がり赤みやかゆみが強い

などの時には受診する必要があります。かきこわすと細菌に感染して、とびひになる可能性もあります。

毎日の入浴時や保湿ケアのときなどにあせもの様子を観察してメモを残しておくと、受診したときに役立つでしょう。

病院で処方される薬

病院では、症状に合わせた薬が処方されます。

多くの場合は炎症を抑えるための弱いステロイドの塗り薬が出されます。ステロイド剤には炎症をおさえてかゆみをとめる高い効果があります。ステロイド剤をこわがる人もいますが、その安全性は科学的に証明されています。指示された量や回数を守らないと、何度もかゆみがぶりかえしたり症状が長引いたりすることがあるので、自己判断せず、医師の指示を守りましょう。

ロコイドは、ステロイド剤の中では効き目が最もおだやかなタイプのひとつ。

あせもの部分が細菌に感染している場合には、抗菌薬入りのステロイド軟膏が処方されることが多いでしょう。

リンデロンステロイドと抗菌薬(抗生物質)の配合薬、リンデロンVG。

軽症と診断されれば、「亜鉛華軟膏」「アズノール」「スタデルム」「コンベック」など、ステロイドの入っていない消炎塗り薬が処方されることもあります。

症例写真出典/はじめてママ&パパの0~6才病気とホームケア

出典 :はじめてママ&パパの 0~6才 病気とホームケア※情報は掲載時のものです

監修
馬場直子先生
神奈川県立こども医療センター 皮膚科部長
滋賀医科大学卒業。横浜市立大学皮膚科などを経て、1994年神奈川県立こども医療センター皮膚科医長、2002年より現職。日本皮膚科学会、日本小児皮膚科学会、日本臨床皮膚科学会会員。的確な診察とわかりやすい説明で、ママたちに信頼されています。

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