赤ちゃんのインフルエンザの予防接種はいつから?体験談紹介【小児科医監修】


鳥海佳代子先生
とりうみこどもクリニック副院長
この記事では、赤ちゃんのインフルエンザ予防接種について解説しています。寒い季節になると、赤ちゃんや小さな子供がいる家庭では、インフルエンザにかからないかどうか気になりますね。予防接種はいつ受けるのがよいのでしょうか。必要性や注意点について、小児科医に聞いてきました。
インフルエンザの予防接種はいつから受けた?先輩ママの体験談
ママたちにアンケートをお願いしたところ、回答してくれた46人のママの中で、赤ちゃんがインフルエンザの予防接種を「受けた」と答えた人は、11人(約24%)でした。
インフルエンザの予防接種を受けた3人のママの体験談を紹介します。
6ヶ月のとき受けた
毎年、予防接種を受けるのが恒例行事
わが家では、毎年インフルエンザが流行する前に、家族みんなで予防接種を受けるのが恒例行事になっています。息子も6ヶ月のとき、はじめてインフルエンザの予防接種を受けました。予防接種の費用は、1回目が3,500円、2回目が2,500円で、私の勤務先から家族を対象にした全額補助があります。これまで3年連続して予防接種を受け、息子がインフルエンザにかかったことはありません。ただ、3年目の今年は、2回目の予防接種を受けた翌日に、接種部位が赤く腫れる副反応がありました。(T・Kさん 2歳1ヶ月の男の子のママ)
11ヶ月のとき受けた
流行前に受けるようにしました
娘が11ヶ月のとき、インフルエンザの予防接種を受けました。私が住んでいる地域では、1歳以降になると1,000円の補助が出ますが、1歳まで待つとインフルエンザがはやる時期になるし、ワクチンがなくなってしまうのも心配だったので、10月に入ってすぐ接種しました。今年も流行前に、2回受けました。(I・Mさん 2歳2ヶ月の女の子のママ)
7ヶ月のとき受けた
予防接種だけでなく手洗いも励行しています
予防できるなら少しでも予防したいので、7ヶ月のときにインフルエンザの予防接種を受けました。あとは、外出先から戻ったら必ず手洗いをして予防を心がけています。基本的なことだけどいちばん大事だと思います。(T・Cさん 8ヶ月の男の子のママ)
インフルエンザの予防接種って必要なの?
インフルエンザの予防接種は定期接種ではなく任意接種となっており、各家庭の事情に応じて接種することになっています。そのため、接種するかどうかで迷ってしまうママやパパが多いのではないでしょうか。
インフルエンザワクチンは、完全に感染を防ぐ効果はありませんが、受けたほうが受けなかった場合よりも症状が軽くすみ、重症化を予防する可能性があることがわかっています。厚生労働省によると、乳幼児のインフルエンザワクチンの有効性に関しては、おおむね20~60%の予防効果があったと報告されています。
保育園など集団生活をしていたり、高齢者と同居していたり、上の子からの感染が気になる場合は、予防接種を受けたほうが安心かもしれません。
しかし、乳幼児をインフルエンザウイルスの感染から守るのは、ワクチン接種だけではありません。保育園などに通っていないのであれば、インフルエンザにかかるリスクはそこまで高くないはず。ワクチン接種よりも、家族や周囲の大人たちが次のような生活習慣を徹底することが大切です。
手洗い
手洗いは、すべての感染症の予防に効果的です。大人も子供も、帰宅後はせっけんで念入りに手を洗い、手についたウイルスをしっかり落としましょう。石けんをよく泡立てて、手のひらや手の甲だけでなく、指と指の間、指先、できれば手首からひじのあたりまで洗ってください。子供はつめと指先の間が汚れていることもあるので、ブラシなどを使ってママやパパがていねいに洗ってあげましょう。
マスク
飛び散ったウイルスは口や鼻の粘膜から入ってくるため、マスクを着用していると、感染リスクを下げることができます。子供は顔が小さく、マスクの側面や鼻に沿って隙間ができてしまいがちなので、つけるときは隙間がないことを確認して。
加湿と換気
ウイルスは乾燥した環境で増殖します。加湿器を使ったり洗濯物を干したりして、室内の湿度を50~60%に保つと理想的です。加湿器は、カビや汚れがないかどうかを確認してから使用しましょう。また、室内のウイルスを追い出す効果もあるので、1日数回は換気を。
流行時期は人が多く集まる場所に行かない
インフルエンザの流行している時期に、子供をつれて人ごみや繁華街へ出かけることは、なるべく控えたほうがよいでしょう。
親の予防接種
家族同士でうつさないようにするために、親は予防接種を受けることを検討しましょう。
インフルエンザの予防接種はいつから受けられる?
インフルエンザの予防接種は生後6ヶ月から受けることができます。13歳以上は1回、13歳未満は2回接種で、2~4週間間隔を開けます。
任意接種のため、自費で受けることになりますが、自治体から補助が出ることがあるので確認してみましょう。また、インフルエンザワクチンは、ほかのワクチンと同様に同時接種が可能です。
インフルエンザの予防接種の注意点
できれば12月中旬までに受ける
日本では、インフルエンザは例年12月~4月に流行し、1月末~3月上旬に流行のピークを迎えます。できれば12月中旬までに接種を受けるのが望ましいでしょう。
接種後30分程度はしっかり様子を観察する
どの予防接種を受けた場合にも言えることですが、接種したあと30分程度は医療機関にとどまるか、連絡のつきやすいところにいるようにいるようにしましょう。これは、副反応のアレルギー反応によって、じんましんや腹痛、嘔吐、せき、呼吸困難などの症状が急激に出る(アナフィラキシー)可能性があるからです。体の急変がないかどうか、しっかり様子を見ましょう。これらの症状が出て、ショック状態(血圧の低下、意識障害などが起きた状態)に陥ると大変危険です。
また、予防接種を受けた当日は、激しい遊びや激しい運動は避けましょう。外遊びは控えて、散歩程度にしたほうがいいですね。できれば絵本やおもちゃなど、室内で座って遊ぶようにするのが無難です。
お風呂には普段通りに入ってかまいませんが、接種部位をゴシゴシ強くこするのはやめましょう。
接種した部位のはれや発熱にも注意
インフルエンザワクチンは、接種した部分に赤みやはれが見られることがあります。接種を受けた人の10~20%に起こるといわれていますが、通常2~3日でなくなります。赤くはれたときは、こすったりせず、自然にひくのを待ちましょう。
また、接種後に発熱することもあります。接種を受けた人の5~10%に起こり、これも通常2~3日でなくなります。発熱しても、母乳やミルク、離乳食などがしっかりとれて、元気なら様子を見ていてかまいません。しかし、ぐったりしていたり、38度以上の熱が1日以上続いたりする場合は受診しましょう。

鳥海佳代子先生
とりうみこどもクリニック副院長
とりうみこどもクリニック
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