子供が熱! そんなときお風呂はどうする? 熱への対策は?

 専門家監修
公開日:2018/12/19
更新日:2019/03/18
子供が熱! そんなときお風呂はどうする? 熱への対策は?
監修
渋谷紀子先生
総合母子保健センター愛育クリニック

子供が熱を出したら、お風呂やシャワーはやめておいたほうがいいのでしょうか。お風呂に入れるかどうか判断するポイント、お風呂に入れない場合の清潔の保ち方など、発熱時のホームケアについてまとめました。

子供が熱を出したとき、どんな対策をとればいい? 
発熱時のホームケアの基礎知識

まずは、子どもが熱を出した時のホームケアのポイントをおさえておきましょう。

ホームケアでは子供自身の免疫力で病気を治していけるように、サポートすることを心がけます。特に重点的に気を配りたいのは、水分補給、安静、快適な環境づくりの3つ。それぞれの項目ごとにポイントを紹介します。

1 水分補給

熱が出ると、体が熱くなり汗の量が増えます。呼吸もあらくなるので、皮膚と呼気の両方から水分が出ていってしまいます。このようなときは脱水症が起こりやすくなるので、水分を少しずつこまめに補給して、脱水症を予防しましょう。

子供向けのイオン飲料や経口補水液は、汗などとともに失われる電解質が効率よく補給できます。しかし、特にそこにこだわらなくても大丈夫。湯冷まし、麦茶、牛乳、ジュースなど子どもが飲めるものを少量ずつ飲むように促しましょう。

また、食事でも脱水症予防ができます。少量の塩を加えた水分多めのおかゆ、りんごのすりおろしなどがお勧めのメニューです。ただし食欲がない場合は、無理に食べさせる必要はありません。

2 安静

病原菌と闘うためには体力が必要です。熱のある間は安静に過ごして、体力の消耗を防ぎましょう

安静といっても、必ずしも横になって休む必要はありません。本を読むなどして、できるだけ静かに過ごします。子供が遊びたがる場合も外出はひかえて、室内でおもちゃ遊びなどをして過ごしましょう。子供が興奮するような激しい遊びはNGです。

3 快適な環境づくり

発熱中はあたたかくしなければ、と思いがちですが、体に熱がこもると、かえって子供がつらく感じることがあります。室温は大人が快適と感じる温度にしておきます。夏は25~28度、冬は23~25度が目安です。そのうえで熱の上がり下がりに合わせて、布団や衣服を調整しましょう。

熱が上がっていくときは血管が収縮するので、寒気を感じます。手足が冷たくなったり、震えたりすることもあります。このようなときは布団や毛布を足したり、重ね着をしたりしてあたたかくします。

熱が上がり切ると、体がほてってきます。厚着のままだと熱がこもりやすくなるので、様子を見て布団や衣類の枚数を減らしましょう。子供の顔が赤く上気したり、汗をかいたりしているなら、熱がこもっているサインです。

また、冬は乾燥するので湿度にも気を配ります。湿度が40~60%になるように、加湿器をかけたり洗濯物を干したりするといいでしょう。

子供が熱を出したとき、お風呂はどうする? 基本の考え方

発熱中は汗の量が増えます。胃腸の働きも悪くなり、便がゆるくなったり下痢したりすることもあるでしょう。こういった汗やウンチの汚れが残ったままだと、かぶれなどの原因になります。ですから、汚れを落として体を清潔にすることも大切なホームケアの1つです。

しかし、お風呂に入ると子供は体力を消耗します。体力を使った結果、病原菌と闘う力が低下して熱が長引くことも考えられます。

それを避けるためにも子供の様子をよく観察して、お風呂に入れるかどうかを判断しなければなりません。基本的には少しでもつらそうなら、お風呂はやめておきます。熱が高くなく元気で、食欲があり水分もとれている場合は、短時間の入浴やシャワーなら問題ないでしょう。

入浴可能かどうか判断する基準について、次でさらに詳しく解説します。

子供が熱を出したとき、お風呂に入れるかどうかの判断基準

発熱中の子供をお風呂に入れるかどうか、観察するポイントごとに「NG」と「OK」に分けて紹介します。1つでもNGに当てはまったら、お風呂はやめておきましょう

NG

38度を超える熱があるときは、お風呂はやめておきます。また、熱の上がり始めは微熱で機嫌がよくても、お風呂はひかえます。熱の出始めは観察が最も必要な時期だからです。

子供の熱は急激に上昇することがよくあります。最初は微熱だったのに、夜にかけて高熱になるのは、よく見られる熱のパターンです。また、熱に続いて嘔吐や下痢が始まることもあります。

このような症状が急激に現れる時期の前に、お風呂で体力を消耗していると、子供は非常につらくなるので、熱が出始めたときはお風呂、シャワーともひかえましょう

OK

37度9分以下の場合は全身状態がよければ、ささっと入浴したりシャワーを浴びたりしてもいいでしょう。

機嫌

NG

子供がグズグズしたり、ボーっとしたり、いつもと様子が違う場合は、お風呂、シャワーともひかえます。うまく症状を伝えられないだけで、だるかったり、気分がすぐれなかったりする可能性があります。

OK

機嫌がよく、意欲的に遊ぼうとする、受け答えもはっきりしているという場合は、ささっとお風呂に入ったり、シャワーを浴びたりしてもいいでしょう。

水分補給・食欲

NG 

水分が通常よりとれていないと感じるなら、お風呂はやめておきます。食欲がない場合もお風呂はひかえたほうがいいでしょう。

OK

水分がしっかりとれていて、「好きなものなら食べたがる」などある程度食欲があるなら、短時間、入浴したりシャワーを浴びたりしてもOKです。

熱以外の症状

NG

嘔吐があったり、激しい咳が出ていたりする場合、子供はそれだけで体力を消耗しています。お風呂はやめておきましょう

OK

軽い鼻水、咳、下痢がある場合はささっとお風呂に入ったりシャワーを浴びたりして、体を清潔にするといいでしょう。

子供が熱を出してお風呂に入れない場合の対処法

子供がお風呂に入れないときは、ぬるま湯でしぼったタオルで体を清潔にしてあげましょう。次の点に気を配るといいでしょう。

・できるだけやわらかいタオルを準備する

・部屋はあたたかくする

・体を冷やさないように、ふく部位以外はタオルや衣類でおおう

・力を入れてこすらない

・汗をかきやすい部位、汚れがたまりやすい部位はていねいにふく

髪の生え際、首筋、わきの下、足のつけ根などは汚れやすい部位です。

ふいているうちにタオルが汚れたり、冷たくなったりすることもあるので、できればそばにぬるま湯を入れたバケツや洗面器、替えのタオルを準備しておくといいでしょう。

お尻の洗い方

お尻は最も汚れやすい部位です。特に熱だけでなく下痢を伴っている場合は、お尻がかぶれやすくなるので、次のような方法で清潔を保ちましょう。

・洗面器にお湯を入れて座浴

・大きめのカット綿をぬるま湯にひたし、たっぷりお湯をふくませてからふく

子供が熱を出したときのお風呂の入れ方

子供が熱を出している場合は、症状を悪化させないように次の点に気を配りましょう。

・体を冷やさないようにする

浴室を温めてから入浴しましょう。浴室暖房がない場合は、入浴前に湯船のふたを開けておいたり、シャワーを出しっぱなしにしたりして、お湯の蒸気で浴室を温めておきます

湯冷めを防止することも大切です。入浴後はすばやく水分をふき取ります。そのためにバスタオルは手に取れるところに準備しておきましょう。脱衣所や入浴後に過ごす部屋もあたたかくしておきます。

髪の毛をぬれたままにするのもよくありません。あたたかい場所で、ドライヤーでしっかり乾かしましょう。

・体力の消耗を防ぐ

熱いお湯は体力を消耗するので、湯船のお湯の温度はぬるめにしましょう。適温は37度~38度です。また長湯もやはり体力を使うのでNG。汚れを落としたらさっと出ましょう。

夏など暑い時期なら、湯船にはつからず、シャワーでささっと汗を流すといいでしょう。

子供が熱を出したときのお風呂の注意点

解熱剤の服用後は様子を見る

子供が高熱でつらそうなときに使う解熱剤ですが、薬を服用後に熱が下がった場合は、いくら元気に見えてもお風呂はやめておきましょう。

なぜなら、薬が切れると熱が再び上がってくることがあるからです。そのときに入浴で体力を消耗していると、子供はよりつらく感じます。解熱剤を服用後に熱が下がったときは、安静に過ごして体力の回復に努めましょう。

数日間、入浴できなくてもタオルで拭くなどして清潔を保てていれば大丈夫。平熱に下がってから1日は様子を見て、熱が上がらなければ、普段と同じように入浴するといいでしょう。

監修
渋谷紀子先生
総合母子保健センター愛育クリニック
東京大学医学部卒業。東京大学医学部附属病院、山王病院、NTT東日本関東病院などの勤務を経て、現職。専門は小児アレルギー。私生活では四女の母でもある、やさしくパワフルなドクターです。

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