子宮外妊娠の症状は?出血なしの場合もあるの?体験談あり【産婦人科医監修】

 専門家監修
公開日:2019/01/29
更新日:2020/11/30
子宮外妊娠の症状は?出血なしの場合もあるの?体験談あり【産婦人科医監修】
監修
佐藤雄一先生
佐藤病院院長 産婦人科医

子宮外妊娠とは、その言葉が示す通り受精卵が子宮外などに着床することで、胎嚢(たいのう)が確認される前の時期では、正常な妊娠との判別がしにくいこともあります。
子宮外妊娠とはどのようなものなのか、産婦人科ドクターにうかがいました。

子宮外妊娠とはどういうものなの?

子宮外妊娠とは、受精卵が本来着床すべき子宮内膜までたどりつかずに、子宮以外のところに着床してしまうことです。妊娠のごく初期に、受精卵が子宮内に移動する過程で起きることで、卵管に着床してしまうケースが多く見られます。ほかにはまれに、子宮頸管、卵巣、腹膜に着床することもあります。
一般的には「子宮外妊娠」という言葉で知られていますが、医学的には着床すべきでないところでの妊娠として「異所性妊娠(いしょせいにんしん)」といいます。

子宮外妊娠では赤ちゃんが育つことができないので、妊娠は継続できず流産となってしまいます。そのまま自然に流産することもあるため、初期段階で子宮外妊娠がわかった場合は、すぐに治療せずに経過観察となることもあります。
ただし、卵管に着床したまま受精卵が成長してしまうと、卵管破裂して大出血を起こす危険性もあるので、早期の見極めが重要です。

子宮外妊娠が起きる確率ってどのくらいなの?

子宮外妊娠が起きる確率は、妊娠数全体の約1~2%です。
誰にでも起こりえることなので、妊娠の可能性があるときは初期段階の出血やお腹の痛みに注意しましょう。ただ、正常な妊娠初期の段階でも不正出血などはあるので、症状だけでは判断できません。

子宮外妊娠でも妊娠検査薬で陽性反応は出るの?

子宮外妊娠であっても受精卵が着床した状態にはなっているため、妊娠初期と同様の反応が体に起こります。

妊娠を確認するための妊娠検査薬は、尿内のhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)というホルモンを調べるものです。hCGは受精卵が着床するとつくられるホルモンなので、子宮外妊娠でも検査薬に反応して陽性反応が出るのです。

検査薬で陽性反応が出ただけでは、正常妊娠か子宮外妊娠かの判別はつきません。早めに産婦人科を受診して、超音波検査などを受けるようにしましょう。

子宮外妊娠はどんな症状がいつから出る?出血がないこともある?

子宮外妊娠であっても受精卵が着床したことに変わりはないので、通常の妊娠のような体調変化が出てきます。生理が遅れる、排卵後の基礎体温が高い状態が続くなど、妊娠のサインがあらわれるのです。熱っぽい、だるい、乳房が張る、イライラする、おりものが増える、肌があれるなど、個人差はありますがさまざまな症状が見られます。

妊娠週数は最後の生理のはじめの日を0週0日として数え、4週0日となる28日目頃から妊娠検査薬の陽性反応が出ます。これは一般的な28日周期で生理がくる場合なので、もし28日より周期が長いという人なら、その分陽性反応が出る時期も遅くなります。

初期段階で不正出血が見られる

子宮外妊娠の症状が出るのは4週目以降で、同時期に少量の不正出血やおりものが出ることがあります。出血の量は個人差がありますが、ほとんどの場合、不正出血の症状はあるようです。

ただし、通常の妊娠でも同様に不正出血やおりものはあるので、それだけで判断するのはむずかしいでしょう。少量の出血を生理がきたものと勘違いし、子宮外妊娠に気づかない人もいます。また、全く出血のないこともありますので注意が必要です。

さらに、そのまま妊娠5~6週目に入ってしまうと、子宮外妊娠でもつわりの症状が出ることもあります。

卵管で成長してして破裂の危険も

子宮外妊娠でも、受精卵が着床後に流産する場合があります。自然に流産すると、生理のように出血して妊娠が終了します。

けれども、卵管に着床し、流産せずに6週目以降まで受精卵が成長してしまうと、卵管破裂する危険性があります。卵管破裂が起きるとお腹のなかで大量に出血するため、下腹部に激しい痛みがあり、顔面蒼白、血圧の急な低下、冷や汗、めまい、嘔吐などのショック状態を起こし、緊急手術となります。

子宮外妊娠の症状について。先輩ママの体験談!

子宮外妊娠は必ずはっきりとした症状が出るわけではないため、気づきにくいこともあるようです。
「子宮外妊娠の経験が2度あります。1度目のときはとくに症状がなく、初診のときに病院でいわれるまで自分ではまったくわかりませんでした。2度目のときは妊娠検査薬で陽性反応がでたころから、なんとなく腹部にいやな違和感がありました。初診ではまだ疑いがあるだけでしたが、腹痛も出始めるし、それが日々強くなってきて…。茶色っぽい出血もあって、子宮外妊娠だろうとわかりました」(Mさん)

子宮外妊娠を早期発見するためにはどうしたらいいの?

最近では、妊娠検査薬や超音波検査によって早くから妊娠がわかるため、卵管破裂を起こすことは減ってきています。妊娠を早い段階でチェックするために、生理日と基礎体温は記録しておくとよいでしょう。

妊娠5週目以降になると、超音波検査で子宮内の胎嚢が見られるようになります。トラブルの早期発見の面から考えると、生理の予定から1週間遅れて基礎体温の高温期が続くなど妊娠の兆候があるなら、婦人科を受診することをおすすめします。

子宮外妊娠の診断

婦人科で超音波検査を受けると、妊娠5週目頃には胎嚢という赤ちゃんが入っている袋を確認することができます。この時期の赤ちゃんはごく小さく、「胎児」の前段階の「胎芽」と呼ばれます。この小さな胎嚢が子宮内に見られれば、受精卵が着床して正常に妊娠しているとわかります。

けれども、妊娠の兆候がありながら子宮内に胎嚢が確認できない場合は、子宮外妊娠の疑いが持たれます。排卵日からの日数や血液検査でわかるhCGの数値など、ほかの要素も合わせて判断しますが、3日から数日後に再度、超音波検査を受けて胎嚢の確認をする場合もあります。

子宮外妊娠の早期診断はむずかしいものですが、生理日や基礎体温がわかっていれば判断がしやすくなります。妊活中はとくに体調チェックを習慣づけて「いつ妊娠したのかわからない」ということがないようにしましょう。

子宮外妊娠に治療は必要なの?

子宮外妊娠の治療は、妊娠週数と状況に合わせて決まります。

超音波検査によって早期に子宮外妊娠がわかり、体調が安定している場合は経過観察となることもあります。そのままhCGの数値が下がってくれば、特に治療せずに妊娠が終わることもあります。

治療が必要となる場合は、薬での治療または手術を行います。

薬で治療する

子宮外妊娠の状態で流産しそうもなく、なおかつ発育がゆるやかな場合には、薬での治療も可能です。MTX(メトトレキサート)という薬を使い、成長をとめて流産させる方法です。

hCGの値が落ち着いていて全身状態が良好である、手術を希望しないケースなどに選択します。1回の筋肉注射で終わる場合、様子を見て2回以上行う場合、または効果が見られなければ手術に切り替えることもあります。

MTXの治療は欧米では一般的ですが、日本では子宮外妊娠の治療は保険適用外となっています。

手術をする

hCGの値が上がり続けるなど、卵管に着床した受精卵が成長している場合は手術を行います。手術方法は卵管を切開して胎嚢だけを摘出する卵管線状切開術(卵管温存手術)、または卵管を切除する卵管切除術の二つの方法があります。

子宮外妊娠に気づかず治療せずにいると、卵管破裂を起こす場合もあります。お腹の中に出血して貧血やショック状態が起き危険な状態となるため、緊急手術で卵管を切除する手術を行います。

子宮外妊娠は自覚症状だけでは判断がむずかしいものです。体調変化に注意して婦人科を受診し、早期に対応していくことが重要。子宮外妊娠になってしまったとしても、早めに診断を受けて対処すれば危険を避けることができます。治療や手術を受けても、その後の妊娠も可能です。

>>子宮外妊娠(異所性妊娠)、次の妊娠は大丈夫?【不妊治療専門医監修】<妊娠・不妊治療を応援!赤ちゃんが欲しい公式サイト

子宮外妊娠とは?その原因と症状は?子宮外妊娠になる確率はどのくらい?痛みはあるの? 次の妊娠への影響は?
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子宮外妊娠という言葉を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。子宮外妊娠は、医学的に正しくは異所性妊娠といい、妊娠のごく初期に起きるトラブルの一つ。原因は何なのか、どんな症状があるのか、ほうっておくとどうなるかなどについて、ご説明します。
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取材・文/宮野明子

出典 :いちばんよくわかる妊娠・出産※情報は掲載時のものです

監修
佐藤雄一先生
佐藤病院院長 産婦人科医
産婦人科専門医、日本生殖医学会生殖医療専門医。女性の心身の健康を支援する医療を心がけ、予防医療の観点から妊婦さんの食事や栄養の大切さを指導している。

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