赤ちゃんが熱を出したとき、お風呂とシャワーのどちらがいい? いつから入れる?【小児科医監修】

 専門家監修
公開日:2018/12/11
更新日:2019/03/22
赤ちゃんが熱を出したとき、お風呂とシャワーのどちらがいい? いつから入れる?【小児科医監修】
監修
渋谷紀子先生
総合母子保健センター愛育クリニック

この記事では、発熱中の赤ちゃんをお風呂に入れるかどうかを判断する基準や入浴での注意点、お風呂に入れないときはどうするか、などについてまとめました。体を清潔にしてあげたいけど、熱があるしどうしよう……。赤ちゃんが熱を出すと、そんなふうに迷うことがあります。判断の目安を小児科医に教えてもらいました。

赤ちゃんが熱を出したとき、お風呂に入れてもいいの?

赤ちゃんは汗っかき。熱を出して汗をたくさんかいているときは、「お風呂でさっぱりさせてあげたい」という気持ちになります。

しかし発熱中の赤ちゃんの体は、病原菌と闘っている真っ最中です。できるだけ安静に過ごし、病原菌と闘うための体力を温存しなければなりません。

お風呂に入ると、大人が思う以上に赤ちゃんは体力を消耗します。特に湯船につかるのは、体調が悪い赤ちゃんにとって大きな負担となります。基本的に、熱が出ている間はお風呂はひかえたほうがいいでしょう。

一方で、汗やよだれ、鼻水などで汚れていたり、下痢したりしている場合は、体を清潔に保つことも考えなくてはいけません。汚れや汗をそのままにしておくと、かぶれやあせもの一因となり、赤ちゃんがつらい思いをします。

ですから熱だけにとらわれず、赤ちゃんの全身の状態を見て、どのように体の清潔を保つかを考えていきましょう。

赤ちゃんが熱を出したとき、
お風呂に入れるかどうかの判断基準

赤ちゃんが発熱しているときは、様子をよく観察して、お風呂にするかシャワーにするか、どちらもやめておくべきかを判断します。次に挙げる基準を参考にしてください。

入浴・シャワーともやめたほうがいいケース

・熱の上がり始め

熱の上がり始めは観察が必要な時期です。熱が出始めたときは「微熱で、機嫌もそれほど悪くない」と感じても、その後に一気に熱が上がったり、嘔吐や下痢が始まったりということもありえます。

このような場合、その前日には入浴しているはず。1日くらいはお風呂に入らなくても大丈夫ですから、入浴、シャワーともひかえて、様子を観察しましょう。

・38度を超える熱があり、機嫌が悪くだるそうなとき

熱が高く、赤ちゃんがつらそうに見える、いつもと様子が違うと感じるときは、入浴、シャワーともひかえます。

・熱とともに嘔吐があるとき

熱とともに嘔吐があるときは、湯船につかるのはもちろんシャワーもやめておきましょう。

・熱ともにひどい咳が出ているとき

ひどい咳で赤ちゃんは体力を消耗しています。入浴・シャワーともひかえて安静に過ごしましょう。

短時間の入浴かシャワーですませるケース

・熱が37度9分以下で、食事・水分ともとれていて、機嫌も悪くない

高熱ではなく、食欲もあって機嫌が悪くないのであれば、短時間、ぬるめのお湯に入ってもいいでしょう。夏など気温が高い時期ならシャワーでさっと汗を流すのもお勧めです。

また、熱が上がりきって下がってきたときも、ささっとシャワーなどで汗を流していいタイミングです。ただし、熱だけでなく赤ちゃんの様子をしっかりと観察。機嫌がよく食事・水分ともとれているならシャワーOKですが、機嫌が悪いならやはりひかえてください。

・37度9分以下の熱ともに下痢があるが、食事・水分がとれていて機嫌も悪くない

下痢のときはお尻がかぶれやすくなるため、清潔を保つことが特に重要になります。さっとシャワーを浴びるなどして、赤ちゃんをさっぱりさせてあげるといいでしょう。

お風呂に入ってもいいケース

・熱が37度5分以下で、食欲があり機嫌もよく元気

赤ちゃんは体内で作られる熱量が多く、体温が高め。そのため大人と違い、37度5分までが平熱とされています。

もちろんこれには個人差があるので、この体温はあくまで目安ですが、その赤ちゃんにとっての平熱で、食欲があり水分もとれていて機嫌もいい、という状態であれば、入浴しても問題ありません。

・熱が37度5分以下で、軽い咳や鼻水があるけど元気

軽く咳や鼻水、鼻づまりがある場合も入浴して問題ありません。お風呂は湯気が立っていて、湿度が高いため、咳が出にくくなります。鼻がつまっているときも、湯気によって鼻の通りがよくなり、赤ちゃんは楽になるでしょう。

赤ちゃんが熱で、お風呂に入れないときはどうすればいい?

赤ちゃんが高熱で入浴もシャワーも無理というときは、次の方法で体の清潔を保ちましょう。

お湯でしぼったタオルなどで体をふく

できるだけやわらかいタオルをぬるま湯にひたしてしぼってから、やさしく体をふきます。次にあげる部位は、汗をかきやすい、もしくは汚れがたまりやすい場所です。ていねいにふきましょう。

髪の生えぎわ

首筋

わきの下

足のつけ根

汚れを落とそうと、強い力でこすらないように気をつけてください。また、赤ちゃんの体が冷えないように、部屋は温かくしておきます。裸にする場合は、バスタオルなどでくるみながらふくとよいでしょう。

汗をかいたらこまめに着替える

汗でしめった服を着せたままでいるのはよくありません。あせもの原因にもなるので、汗をかいたらこまめに着替えましょう。

座浴でお尻を清潔に保つ

座浴が難しい場合は次のような方法もあります。

・ぬるま湯にひたしたタオルで、お尻の汚れを洗い流すようにふく

・大きめのカット綿をたっぷりのぬるま湯でしめらせてふく

・100円ショップなどで売っている調味料のボトルにぬるま湯を入れた簡易シャワーで洗い落とす

赤ちゃんが熱を出したときのお風呂の入れ方

いくら元気に見えても、発熱中の赤ちゃんの体は、まだ病原菌と闘っている最中です。入浴したりシャワーしたりする場合は、悪化を防ぐために次の点を心がけましょう。

・浴室を十分に温めておく

入浴前に湯船やシャワーの蒸気などで浴室を温めておきます。

・できるだけシャワーですませる

湯船につかるのは体力を消耗するので、できるだけ短時間のシャワーですませます。気温が高めの時期なら、シャワーで汗を流すだけでも赤ちゃんはさっぱりします。

・お湯の温度はぬるめにする

入浴する場合、湯船のお湯はぬるめにします。適温は37度~38度程度。熱いお湯は赤ちゃんの体力を消耗させます。

・短時間ですませる

寒い時期は湯船にゆっくりとつかりたくなりますが、熱がある赤ちゃんの体にとって長湯は負担となります。入浴の目的は体を清潔にすることと考えて、短時間で切り上げて。

・湯冷めに注意する

脱衣所やお風呂上りに過ごす部屋も温かくしておきます。また体を洗った後、すぐに水分をふき取れるように、バスタオルは手に取れるところに準備しましょう。

赤ちゃんが熱を出したときのお風呂の注意点

解熱剤を使用したときは様子を見る

赤ちゃんの熱が上がり切って下がってきた段階で、元気であれば短時間のシャワーOKと先に紹介しました。ただし、それが解熱剤を飲んだ後の場合は、注意が必要です。

解熱剤で熱が下がると、つらそうな様子がやわらぎ、食欲も戻る赤ちゃんがいます。しかし、それは見かけ上の元気で、病気が治ったわけではありません。

薬が切れて再び熱が上がってきたときに、お風呂で体力を消耗していると、赤ちゃんはよりつらくなります。ですから、解熱剤を飲んで熱が下がっているときは、入浴、シャワーともひかえましょう。

入浴後、ママは石けんでしっかり手洗いを

赤ちゃんのよだれや分泌物にはウイルスが潜んでいる可能性があります。ですから、お風呂やシャワーに限らず、熱のある赤ちゃんをお世話したら、ママはしっかりと石けんで手を洗って感染を防ぎましょう。

赤ちゃんの熱が下がってきた場合、
お風呂はいつから通常通りに入っていいの?

赤ちゃんは熱が上がったり下がったりしやすいので、いったん熱が下がってもまた発熱することがあります。

ですから、平熱に下がってから1日は様子を見ましょう。再度上がらなければ、通常通り入浴してかまいません。

監修
渋谷紀子先生
総合母子保健センター愛育クリニック
東京大学医学部卒業。東京大学医学部附属病院、山王病院、NTT東日本関東病院などの勤務を経て、現職。専門は小児アレルギー。私生活では四女の母でもある、やさしくパワフルなドクターです。

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