咳をして嘔吐!飲んだ薬を吐いたら?病院に行く目安は?【小児科医監修】

 専門家監修
公開日:2019/01/17
更新日:2019/03/22
咳をして嘔吐!飲んだ薬を吐いたら?病院に行く目安は?【小児科医監修】
監修
十河 剛先生
済生会横浜市東部病院 小児肝臓消化器科副部長

この記事は、子供の咳と嘔吐の関連性についてまとめたものです。小さい子供はもともと大人より吐きやすく、ちょっとしたことで嘔吐することがあります。ただ、咳をして吐いてしまう場合には、単なる風邪ではなく、何らかの呼吸器の病気が隠れていることがあります。咳をして嘔吐したときの、原因や対処法を理解しておきましょう。

子供が咳をして嘔吐したとき、原因となる病気は?

気管支炎や肺炎、百日咳など呼吸器の病気の可能性があります

咳をして吐いてしまう場合、激しく咳込むことで強い腹圧がかかり、胃の中のものが出てきてしまうことが理由と考えられます。
小さな子供は、もともと胃の入り口部分のしまりがゆるいため、吐きやすい傾向がありますが、単なる風邪でも、ときには嘔吐するほど激しく咳込むことがありますが、気管支炎や肺炎、百日ぜき、クループ症候群(急性喉頭炎)など、呼吸器の病気が隠れている可能性もあります。

また、「昼間は元気だったのに、夜になって急に高い熱が出て、咳込んだり呼吸がおかしくなったりして吐く」など、急激に症状が起こることもあります。

咳込んで吐いたとき、原因と考えられる病気には以下のようなものがあります。

・気管支炎

ウイルスが原因で起こることが多く、風邪がこじれて、のどの炎症が気管や気管支に及ぶケースが一般的です。「ゴホゴホ」という痰の絡んだような、湿った重い咳が特徴。低月齢の赤ちゃんの場合は呼吸困難を起こしやすいので要注意。呼吸をするときに「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という音がしたら、呼吸困難のサインと考えられます。

・肺炎

ウイルス性と細菌性、マイコプラズマという病原体によるものがあります。「ゴホゴホ」という痰の絡んだような湿った重い咳と、38~40℃の高熱が主症状。細菌性の肺炎は重症化しやすく、とくに月齢の低い赤ちゃんでは急に呼吸困難を起こすことがあるため、呼吸の状態に注意する必要があります。

・クループ症候群(急性喉頭炎)

のどの奥の「喉頭」という部分が炎症を起こす病気。のどの痛みや高熱をともなうこともあり、「ケンケン」という犬の遠吠えのような咳、「オウッオウッ」というオットセイの鳴き声のような咳が特徴です。呼吸時に「ゼーゼー」という音がしたり、呼吸がしにくく息苦しそうな様子がみられたりすることがあります。

・百日ぜき

百日ぜき菌に感染して起こる、とても感染力の強い病気です。最初の1~2週間は、鼻水や咳など風邪に似た症状がみられ、だんだん咳が激しくなります。「コンコン」という短い咳込みが十数回続き、最後に「ヒューッ」と音をたてて息を吸い込むという特徴的な咳の症状が3ヶ月程度続きます。1歳未満の赤ちゃんでは、咳により呼吸困難を起こしやすくなります。

子供が咳をして嘔吐したとき、病院に行く目安は?

吐くほど激しい咳が出る場合は小児科へ

咳込んだ拍子に吐いたものの、何度も嘔吐を繰り返すことなく、その後は咳や呼吸の様子が落ち着いているなら、夜間の場合は一晩様子を見てもいいでしょう。ただし、吐くほど激しく咳込む症状がみられた場合、通常の風邪ではない可能性も考えられるため、翌日の診療時間内に必ず小児科を受診して原因を調べてもらいましょう。

「ゼーゼー」「ヒューヒュー」いうときは夜間でも受診して

呼吸をするときに「ゼーゼー」「ヒューヒュー」と音がする、「ケンケン」という咳やオットセイの鳴き声のような咳が出る、あきらかに呼吸がおかしい、などの症状が見られる場合は、救急受診が必要です。夜間でもすぐ病院に連絡しましょう。

子供が咳をして嘔吐したときの対処法は?

咳の原因である病気の治療をすることが先決

まずは、咳の原因である病気を特定し、その治療をおこなうことがいちばん大切です。
気管支炎の場合、ウイルスが原因のものは特効薬がないため、安静と水分補給を心がけて様子をみます。気管支を広げる薬が処方されることもあります。

肺炎の場合、細菌性やマイコプラズマによるものでは抗菌薬による治療をします。

百日ぜきの場合は、百日ぜき菌に有効な抗菌薬を使用して治療をおこないます。

クループ症候群の場合は、喉頭の炎症やむくみを抑えるための薬を用いて治療します。
いずれの病気も、月齢の低い赤ちゃんほど重症化しやすく、入院治療となることもあります。

ホームケアは「食事の工夫」と「脱水予防」が中心

自宅でケアする場合、薬が処方されたときには医師の指示に従ってきちんと飲ませましょう。
食事や授乳については、胃のなかにたくさんものが入っていると、咳込んだときに吐きやすくなります。食べ物や飲み物は、「少量ずつ頻回に」与えるようにしましょう。
嘔吐を繰り返す場合、体内の水分が失われて脱水症を起こしやすくなります。経口補水液を用いてこまめに水分補給し、脱水予防を心がることも重要です。

室内が乾燥すると、のど(気道)の粘膜が乾燥して刺激に敏感になり、よけいに咳が出やすくなることがあります。加湿器を使ったり、洗濯物を部屋干ししたりして、室内を加湿しましょう。
せきが出ているときは、たてに抱いて背中をやさしくトントンしてあげると落ち着くことがあります。寝かせるときは、クッションなどで上半身を少し起こすようにすると、呼吸がらくになることもあるようです。

子供が薬を飲んですぐ吐いてしまったときの対処法は?

薬によって異なるので医師や薬剤師に確認しましょう

「薬を飲ませてすぐに、咳込んで吐いてしまった!」という場合、「すぐにもう一度飲ませたほうがいい? それとも、次の薬の時間まで待つべき?」と迷うママも多いでしょう。
薬を飲んだ後に吐いてしまった場合、飲んだ薬の種類や、飲んでからの時間、その薬がどのぐらい必要か、などにより、その後の対応は異なります。薬を処方した小児科の医師や、薬局の薬剤師に確認しましょう。

もし、激しい咳が続いている場合や、過去に咳込んで吐いてしまった経験がある場合などは、薬が処方されたときに、念のため「もし、吐いてしまったらどうすればいいですか?」と医師や薬剤師に確認しておくと安心です。

文/出村真理子

監修
十河 剛先生
済生会横浜市東部病院 小児肝臓消化器科副部長
1995年、防衛医科大学校医学部卒業。複数の病院勤務を経て2007年に済生会横浜市東部病院小児科医長、13年より現職。専門は肝・胆道疾患。武道の有段者で、二児のパパでもあります。

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