子供の薬 飲ませ方のコツが知りたい! 注意点は?【小児科医監修】

 専門家監修
公開日:2018/12/20
更新日:2019/03/22
子供の薬 飲ませ方のコツが知りたい! 注意点は?【小児科医監修】
監修
鳥海佳代子先生
とりうみこどもクリニック副院長

この記事では、子供の薬の飲ませ方について解説しています。子供が病気になったときは、薬とうまくつき合って、早く元気にしてあげたいですね。特に小さな赤ちゃんに薬を飲ませるときには、ちょっとしたコツがあります。いざというときのために知っておきましょう。

子供に薬を飲ませる必要性って?

子供が病気にかかってつらそうなときは、少しでも早く治してあげたいですよね。そんなときに使うのが、薬です。薬は、体内に入ると消化管などの粘膜から吸収されて、血液によって全身に運ばれ、病原菌や働きかけたい部位に作用します。

たとえば、解熱鎮痛(げねつちんつう)薬は、体温を調節する中枢神経に作用して、一時的に熱を下げ、痛みを抑えるように働きます。抗菌薬は細菌感染が原因の病気のとき、菌を直接殺したり、働きを弱めて増殖を抑えたりします。整腸薬は下痢などの症状に対し、腸内細菌のバランスを整え、便を普通の状態にします。

薬は子供を元気な状態に戻してくれる、心強い味方なのです。

薬の使い方のポイントは?

薬の効果は、使い方や量をきちんと守ってこそ期待できます。症状がおさまってきたら、薬をやめたいと思うかもしれません。でも、「〇日分」と医師から指定のある薬は、きちんと使いきることが基本です。

たとえば抗菌薬を飲んで症状が消えても、原因となる細菌はまだ体の中に残っていることがあります。中途半端な時期にやめるとぶり返したり、耐性菌(薬が効かない、効きにくい現象)ができてしまったりすることがあります。自己判断でやめてはいけません。

もう1つ大切なことは、残った薬は原則として捨てるということ。次のときに使っていいのは、医師から許可の出た薬だけにします。使うとしても、緊急の場合の使用1回だけにして、その後は必ず受診し、使った薬の名前、症状、ママがした処置などを、詳しく医師に伝えることが必要です。

薬の役割や使い方の基本を知ったうえで、上手につきあっていきたいですね。

●薬との正しいつきあい方の6つのポイント

1. 症状が消えても途中でやめず、指示された日数や回数を使い切る
2. 残った薬は使いまわさずに捨てる
3. 医師や薬剤師に使い方の注意点を確認する
 ①薬の名前
 ②効果
 ③使う期間
 ④使う時間・頻度
 ⑤ほかの薬と併用していいかどうか
 ⑥いっしょにとってはいけない食品があるか など
4. ほかの病院で処方されている薬があれば、医師に伝える
5. 飲めなかったときはそのことを医師に伝える
6. かかりつけの薬局を決める(薬の履歴や飲み合わせを確認してくれます)

子供の薬の飲ませ方のコツと注意点

子供に薬を飲ませるのは、慣れるまでちょっと大変かもしれません。粉薬、シロップ、ドライシロップの飲ませ方のコツを紹介します。

どの薬でも扱う前に必ず行う3つの準備

1.回数、数量を確認する

薬を飲ませる前に、薬の袋や容器に書いてある注意事項を見直しましょう。間違い防止のために、飲ませるタイミング、回数、1回量を、毎回必ず確認します。

2.手を洗って清潔にする
薬を扱う前には、必ず手を洗います。薬の使用後も手洗いを忘れずに。飲み薬だけでなく、軟膏や塗り薬を扱うときも同様です。

3.味をチェックする
処方された飲み薬を少しなめて味をチェックしましょう。子供が飲んでくれないときは、味から理由が推測でき、対処法を考えるヒントになります。

粉薬

粉薬は、処方されている時点で正しい分量が計算されているので、いちいち家庭ではかる必要はありません。ただし、赤ちゃんや小さい子供に飲ませるには粉のままでは無理なので、水で練るひと手間が必要です。

飲ませ方

1.水をたらしてすばやく練る

小さな器に1回量を入れて、水を2~3滴たらして練ります。水はごく少量なのでスポイトを使うと便利です。耳たぶぐらいのかたさで、ひとかたまりになるまで練ります。かたいときは、スポイトやはしで水を1滴ずつ足して調節します。

2.ほおの裏になすりつける

練った薬を、ほおの内側や上あごなどになすりつけます。舌の上は味を感じるのでやめましょう。その後、湯冷ましなどと一緒に飲み込ませます。

3.嫌がるときは薬用のゼリーで包む
苦味のある粉末は、口の中に塗られるのを嫌がる子もいます。その場合は、市販の薬用のゼリーで包み込めば苦味がわからなくなります。

4.飲ませたあとは水を飲ませる
一度飲ませても、まだ口の中に薬が残っている場合があります。残った薬は苦味が出てくることがあるので、最後にもう一度水を飲ませましょう。

粉薬の保管方法

粉薬の保管は、「乾燥」「密閉」「直射日光を避ける」が基本条件です。処方された袋に入れたまま、乾燥剤を入れた密閉容器に入れましょう。常温でかまいませんが、風通しのよいところ、子供の手が届かないところで保管します。

シロップ薬

シロップ薬は、粘りけのない液体で、飲みやすいように甘く味つけされています。飲ませる前に軽く振って成分を均一にしましょう。小さい子供の場合、食前に飲むことが多いです。

飲ませ方

1.ボトルを振って成分を均一にする
成分が沈殿していることがあるので、上下に軽く振って混ぜ合わせます。強く振ると、泡が立って、正確にはかれなくなるので注意して。

2.水平の目線で正しくはかる

容器を平らな場所に置き、目盛りを水平に見て、1回量をはかります。目盛りを上から見ると、ズレが生じてしまうので気をつけましょう。

3.スポイトで子供の口へ

はかった薬をスポイトで吸い上げ、口の奥のほうにチュッと流し込みます。あまり奥まで入れすぎると、むせてしまうので注意しましょう。

スポイト以外の飲ませ方

・計量カップ

容器から1回量のシロップを計量カップに移し、そのまま口に入れます。

・哺乳びんの乳首
低月齢の赤ちゃんは、乳首にシロップを入れて吸わせてもOK。

・スプーン
離乳食が始まっているなら、慣れたスプーンで飲ませてもいいいでしょう。

・おちょこ
おちょこなどの小さな器でグイッとひとくちで飲ませる方法も。

シロップ薬の保管方法

変質しやすいので、容器のまま冷蔵庫で保管します。上の子がいる場合、ジュースと間違えて飲んでしまう可能性があるため、子供の手が届かない、奥のほうへ入れておきましょう。

ドライシロップ薬

飲ませ方

ドライシロップは飲みやすい程度にゆるく溶き、嫌がるときは、さらにゆるく溶いて、スポイトなどで飲ませます。味を嫌がるようなら、薬用のゼリーを利用するのも一案です。大切なのは必ず水で溶くこと。お湯で溶くと苦味が増してしまいます。

ドライシロップ薬の保管方法

基本的に、粉薬と同じです。保管は、「乾燥」「密閉」「直射日光を避ける」がポイント。処方された袋に入れたまま、乾燥剤を入れた密閉容器に入れましょう。常温でかまいませんが、風通しのよいところ、子供の手が届かないところで保管します。

子供が薬を嫌がる理由は?どうしたらいい?

子供が薬を嫌がるのは、薬の苦みが嫌だからという場合が多いもの。飲みやすいようにアイスクリームやジュース類、ヨーグルト、プリンなど甘味のあるものに混ぜて飲ませてみましょう。飲んだあとは水を飲ませて、口の中の苦味を早くなくしてあげるといいですね。

薬を食品と混ぜるとき、オレンジジュースやグレープフルーツジュースは、薬によっては苦味を増してしまうことがあるので注意して。また、ミルクや離乳食に混ぜると、それらを嫌いになってしまうことがあるのでやめましょう。

子供によっては、シロップの人工的な甘みを嫌がることもあります。その場合は水や白湯で薄めて飲ませてみましょう。工夫しても飲まないときは医師に相談すると、違う薬にしたり座薬を処方してくれたりすることがあります。

飲んだら褒めるのもコツの1つ

子供が薬を飲んだら、「よく飲めたね」「頑張ったね」と褒めてあげましょう。家族の応援があると、子供の意欲がアップして、次からは飲めるようになるかもしれません。

赤ちゃんが風邪にかかったときの症状や、対処・予防方法は?
赤ちゃんが風邪にかかったときの症状や、対処・予防方法は?
大人でも子どもでも、誰もが何度も経験する病気が「風邪」です。誰でもかかるだけに軽くすむものと思いがちですが、抵抗力の弱い赤ちゃんがかかると重症化したり合併症を起こすこともあり、実は甘く見てはいけない病気です。そんな風邪の症状や、かかってしまったときの対処方法、そして風邪をひかないための予防法などをまとめました。
記事を読む

一部画像出典:「0~6才はじめてママ&パパの病気とホームケア」(主婦の友社)

文/小沢明子

監修
鳥海佳代子先生
とりうみこどもクリニック副院長
島根大学医学部卒業。島根県や千葉県の小児科に勤務後、2010年に夫とともにとりうみこどもクリニックをオープンさせる。カラフルな診療着とおおらかでやさしい人柄が、患者さん親子に人気のママドクター。
とりうみこどもクリニック

あなたにおすすめ

注目コラム