手足口病のときの食事は?保育園はいつから?【小児科医監修】

 専門家監修
公開日:2018/12/25
更新日:2019/03/22
手足口病のときの食事は?保育園はいつから?【小児科医監修】
監修
渡辺とよ子先生
わたなべ医院 院長

この記事は、手足口病のときの食事についてまとめたものです。「手足口病」とは、ウイルスの感染によって、発熱やのどの痛みを伴い、手足や口に発疹ができる感染症。毎年、夏になると発生し、ヘルパンギーナ、咽頭結膜熱(プール熱)と並び「三大夏かぜ」と呼ばれる夏の病気の代表選手です。口の中の水疱はしみて痛く、食欲が落ちる子も。食事の際は、どんなことに注意すればいいのでしょうか。

手足口病とはどんな病気?

手足口病の原因は、コクサッキーA16、A10、A6、エンテロウィルス71などのウイルス。こうしたウイルスは、春から夏にかけて活発になり、生後6ヶ月くらいから4~5歳の乳幼児がよくかかります。原因ウイルスは複数あり、それぞれ感染力が強いため、何度もかかってしまうことがあるのも、この病気の特徴です。

手足口病の症状

11ヶ月。水疱が出てきて3日目のひざ

水疱が出てきて3日目の手首

口の中の潰瘍はしみて痛い

*手、足、口に赤いブツブツができる

*口の中が痛くて、飲み込めなくなる

*37~38度程度の熱が出ることがある

症状はその名の通り、手のひら、足の裏や甲、口の中、舌などに赤いブツブツができること。原因となるウイルスの型によっては、ひじやおしり、性器の周辺にもできることがあります。先に口の中や舌に口内炎ができてから、少し遅れて手や足にあらわれることも。ブツブツの正体は、真ん中が白く、周りが赤い米粒大の水疱です。

手足の水疱は、それほど痛みませんが、子どもによっては、痛みやかゆみを訴える子もいます。口の中の水疱は、破れてただれて潰瘍になるため、唾液がふえて、強い痛みを伴います。そのため、つばを飲み込むのもつらく、不機嫌になったり、食欲が落ちたりする子もいます。

発熱やのどの痛みを伴い、ときには下痢や嘔吐が生じることもあります。ただ発熱が見られるのは3分の1程度。熱は出ても37~38度ほどで、あまり高くならず、高熱が続くことは通常ありません。見た目は辛そうですが、子ども自身はそれほど苦しくなく、病気で休んでいる間も比較的、元気に動くでしょう。

近年のウイルスは高熱が出るものも

ただし、近年流行がみられるコクサッキーA6というウイルスによるものは、39度以上の高熱が出たり、体幹や四肢に大き目の水疱が出たりすることがあります。また症状が消滅してから1カ月以内に、一時的に手足のつめが脱落するという症状が見られる場合もありますが、自然に治ります。

まれに髄膜炎や脳炎を起こすことが

基本的に後遺症や合併症の心配はありませんが、エンテロウイルス71による手足口病の場合には、ウイルスが脳やせき髄をおおう髄膜に入り込んで炎症を起こす無菌性髄膜炎や、脳そのものに炎症が起こる脳炎など、中枢神経系の合併症が起こる場合があります。子どもの様子をしっかりと見て、高熱が出る、発熱が2日以上続く、嘔吐する、頭を痛がる、視線が合わない、呼びかけにこたえない、呼吸が早くて息が苦しそう、水分がとれずにおしっこが出ない、ぐったりしているなどの症状が見られたときは、すぐに受診しましょう。

赤ちゃんや子供が夏によくかかる感染症「ヘルパンギーナ」の症状とおうちケア
赤ちゃんや子供が夏によくかかる感染症「ヘルパンギーナ」の症状とおうちケア
のどの痛みが強く、思うようにおっぱいが飲めない、離乳食が食べられないなどの症状が見られるヘルパンギーナ。夏に流行する感染症として病名を聞いたことはあるけれど、具体的な症状はわからない、というママも多いはずです。ここではヘルパンギーナについて、その原因や治療法などを詳しく紹介していきます。
記事を読む

手足口病の感染期間は?

咳や唾液などのほか、便の中に排泄されたウイルスが口に入って感染することもあり、潜伏期間は3~6日。手、足、口などに水疱性発疹があらわれるのは、感染してから3~6日後になります。痛みが出たり発熱したりといった辛い時期は1~2日。3日目ぐらいから徐々に回復し、1週間ぐらいで水疱は自然によくなります。発疹や水疱のあとが残ることはありません。

手足口病にかかったら、保育園はいつから登園できる?

手足口病にはインフルエンザなどのような保育園や幼稚園での「登園禁止の基準」はありません。発疹があっても、熱や水疱、潰瘍の痛みや辛さがなく、ふだんどおりに食事がとれれば、保育園に登園しても問題ありません。登園を見合わせるのは、発熱やのどの痛み、下痢、食べられないとき。発疹があるからというだけで登園を禁止しても、あまり意味がありませんが、それぞれ通園している園の決まりに従いましょう。

しかし手足口病のウイルスは、感染力が強く、保育園や幼稚園など子ども同士の接触が多い場所だと集団感染が起こりやすくなります。乳幼児は原因ウイルスに感染した経験のない割合が多いため、母子免疫がなくなってくる生後6カ月以降の感染した子の多くが発病します。治ったあとも比較的長期間、便の中にウイルスが排せつされることがあるので、外出から帰ってきたときや、排便時、おむつがえ後の手洗いを徹底して行うことが、大事な感染予防になります。手洗いは流水と石けんを使い、タオルの共用は避けましょう。

熱や下痢で保育園から呼び出し!対応は?仕事はどうした?【がんばりすぎない働きママ道】
熱や下痢で保育園から呼び出し!対応は?仕事はどうした?【がんばりすぎない働きママ道】
職場復帰後、まず降りかかる悲劇が保育園からの呼び出し電話。仕事は? 症状は? とうろたえますが、赤ちゃんだって慣れない環境でがんばっています! 先輩ママの知恵をもとに、乗り越えていきましょう。
記事を読む

手足口病のホームケア

基本的に安静にして回復を待ちます

ウイルスによる病気なので、基本的には治療せず、家で安静にして自然に治るのを待ちます。手足口病の特効約はありませんが、下痢のときは整腸剤、熱があるときは解熱剤を処方されることがあります。

ただし熱があっても食欲があり、よく眠れているなら解熱剤を使う必要はありません。解熱剤は、38.5度以上の発熱で、子どもが辛そうなときや水分がとれないとき、よく眠れないようなときに使うと子どもは楽になるでしょう。

エアコンを使って快適に

夏風邪の一種と言われるように、暑い時期にはやることが多い病気です。エアコンをうまく利用して、涼し過ごしましょう。室温は外気温との差を5度程度に抑え、24~28度ぐらいを目安にしましょう。冷風が赤ちゃんに直接当たらないように角度を調節します。扇風機で部屋の空気を循環させるのもおすすめです。湿度は50~60%が目安。湿温度計を利用して、目で確認できると安心です。2~3時間に1回は窓をあけて換気することもお忘れなく。

お風呂に入っていいの?

子どもの状態を見て元気なら、お風呂に入ってもかまいません。ただし皮膚に症状があるときは、湯ぶねに入らずシャワーにしておいたほうがよいでしょう。湯ぶねであたたまると、かゆくなったり、赤みが強くなったりすることがあります。汗や汚れをシャワーでさっと洗い流せば清潔に保てます。

「いっしょのお風呂に入ると家族にうつるのでは」と心配する人も多いですが、親や上の子はたいてい免疫を持っているので、お風呂でうつるということは、あまり考えられません。

手足口病になったときの食事

口当たりのよい、やわらかいものを

口の中の水疱は、潰瘍となって痛むため、食欲が落ちることがあります。沁みるものや熱いもの、塩分の多いものは避けて、プリンやゼリー、アイスクリームやシャーベット、酸味の少ない果物、スープ、おかゆ、豆腐……、口当たりのよい、やわらかいものを食べさせてあげましょう。一度にたくさんではなく、何回かにわけて少しずつ食べさせるのがコツです。

食べなくても水分だけはしっかりとらせて

ただし、いやがって食べないなら無理強いする必要はありません。水分がとれていれば、2日ぐらいは食事がとれなくても問題ありません。食後は湯冷ましを飲ませて、口の中は清潔にしておきましょう。

痛みが激しいときは水分すら摂りにくくなりますが、脱水症状を防ぐためにも、母乳、乳幼児用のイオン飲料、経口補水液、麦茶、湯冷ましなど、飲めるものなら何でもかまわないので、こまめに飲ませましょう。哺乳びんやコップをいやがる場合は、スプーンで含ませてあげるとよいでしょう。

監修
渡辺とよ子先生
わたなべ医院 院長
札幌医科大学医学部卒業。都立築地産院新生児科部長、都立墨東病院新生児科部長、同病院副院長をへて、2014年に医療法人社団わたなべ医院に赴任。2016年よりわたなべ医院本院院長。日本麻酔科学会専門医、日本周産期新生児学会功労会員、日本新生児生育医学会功労会員、日本周産期新生児医学会周産期新生児専門医元指導医。多くの乳幼児をみてきた経験による、的確で親切な助言が好評。これまで『母乳育児 ミルク育児の不安がなくなる本』(主婦の友社)など監修に携わった育児本多数。


医療法人社団わたなべ医院

あなたにおすすめ

注目コラム