すぐに病院に行くべき赤ちゃんの発熱って?ママが知っておくべきかぜの基礎知識

 専門家監修
公開日:2018/06/16
すぐに病院に行くべき赤ちゃんの発熱って?ママが知っておくべきかぜの基礎知識
監修
十河 剛先生
済生会横浜市東部病院 小児肝臓消化器科副部長

かぜや発熱はだれにとっても身近な症状ですが、そのメカニズムを知らなかったり、誤解していてたりするママは少なくありません。いざというときのために、正しい知識を知っておきましょう。

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今までにかぜにかかったのは何回?

これまで一番の高熱は?

かぜのウイルスは数が多く、何度もかかるのが特徴

鼻からのどにかけてつながる「上気道」がウイルスなどに感染すると炎症が起こり、せきや鼻水、ときには発熱などの症状が出ます。これが、かぜ。
同じようにウイルスに感染する病気でも、たとえばはしかは一度かかれば再びかかることはまずありません。体の中に、はしかのウイルスをやっつけるシステムができあがり、再びウイルスに接触してもそのシステムがうまくはたらいて感染を防いでくれるからです(このはたらきを、免疫といいます)。
ところが、上気道に軽い炎症を起こすウイルスは数が多く、すべてのウイルスに感染することは不可能です。また、ウイルスによっては一度かかっても十分な免疫が得られないことがあります。何度もかぜにかかるのは、このため。同じようなせきや鼻水の症状でも、原因ウイルスは違います。
赤ちゃんは、ママからいろいろな病気に対する抗体(免疫をはたらかせる武器)をもらって生まれてきます。でも、このプレゼントは生後3ケ月ごろから減ってきて、それと同時にかぜなどの病気にかかりやすくなってきます。新生児期はママの交代が守ってくれるけれど、そこから先は自分の力で抗体をつくりなさい、ということですね。
赤ちゃんはまだ、ウイルスなどに対する抗体の種類が少ないため、ひとつのウイルスにつづいて別のウイルスに感染することがよくあります。かぜが長引くのは、そのためです。

発熱は病原体と戦っているしるし

かぜをひくと、熱が出ることもありますね。ウイルスや細菌などの病原体が体内に入ると、体はそれを遺物と判断して免疫が反応し、やっつけようとします。その反応が起こる場所によって、のどならせき、鼻なら鼻水が出るといった症状が起こります。免疫が病原体をやっつけようとする反応が全身で起こると、熱が出ます。
熱は、体が病原体と戦っているしるしですから、むやみに下げようとする必要はありません。解熱剤を使うかどうかは熱の高さではなく、赤ちゃんの全身状態を見て判断します。

かぜの症状について

*ウイルスなどに対し、鼻粘膜で免疫が反応することで鼻水が出る

*ウイルスなどが感染してこの部分に炎症が起きるのがかぜ

*ウイルスなどに対し、のど~気道で免疫が反応することでせきやたんが出る

*全身で目ね氣が反応することで熱が出る

体内にかぜの原因ウイルスが侵入してくると、体がそれを異物と感知します。すると免疫が反応して、ウイルスや細菌と闘って体を守ろうとします。その反応が起こる場所により、違った症状があらわれます。

すぐに病院に行くべき発熱は?

*生後3ケ月未満

*いつもより明らかに元気がない

*反応がにぶい

*ミルクやおっぱいを飲まない

*ゼイゼイするなど、明らかに呼吸がおかしい

生後3ケ月未満の赤ちゃんが発熱(38度以上)した場合は、かぜ以外の病気が疑われます。すぐに受診を。3ケ月以降は、発熱とともに元気や食欲がいつもと明らかに違う、呼吸の状態がおかしい、反応がにぶい、などが要チェック項目です。

かぜと発熱 Q&A

寒いとかぜをひくものなのでしょうか?

A 寒くてかぜをひくのではなく、乾燥や免疫力低下が原因
冬は上気道の粘膜が乾燥し、かぜのウイルスがつきやすくなります。体が冷えると免疫力が落ち、ウイルスに感染しやすくなるのも一因。湿度が適切で免疫力が高ければ、寒くてもかぜはひきません。

高熱が続くと「脳がダメになる」と聞きました。ホント?

A 高熱が脳にダメージを与える、という説は間違いです
どんなに高熱でも、熱そのものが脳に悪影響を及ぼすことはまずありません。脳がダメージを受けるのは、ウイルスや細菌が脳に入り込んで脳炎、脳症、髄膜炎などを起こした場合。こうした病気は高熱をともなうことが多いので、勘違いする人がいるでしょう。

検温したら37.8度でした。これは「発熱」ですか?

A 平熱にもよりますが一般的には38度以上が発熱
赤ちゃんの体温は37度前後。一般的にはそれより一度高い38度からを、発熱と考えます。赤ちゃんは周囲の温度の影響を受けやすいので、37.5~38度未満はグレーゾーンです。

イラスト/もり谷ゆみ

出典 :Baby-mo2017年秋冬号※情報は掲載時のものです

監修
十河 剛先生
済生会横浜市東部病院 小児肝臓消化器科副部長
1995年、防衛医科大学校医学部卒業。複数の病院勤務を経て2007年に済生会横浜市東部病院小児科医長、13年より現職。専門は肝・胆道疾患。武道の有段者で、二児のパパでもあります。

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