新生児の赤ちゃんを抱っこする方法とコツ、注意点は?縦抱きしてもOK?【実例写真付きで医師解説】

 専門家監修
公開日:2018/01/15
更新日:2019/10/08
新生児の赤ちゃんを抱っこする方法とコツ、注意点は?縦抱きしてもOK?【実例写真付きで医師解説】
監修
木下智恵先生
成城木下病院

生まれたばかりの赤ちゃんの抱っこは、「首がグラグラで、どこを支えたらいいのかわからない」「落としそうで、こわい!」といったとまどいの声が、初心者ママ&パパからよく聞かれます。特に、育児に不慣れな一人目の赤ちゃんの場合、抱き方がぎこちなくなるため、赤ちゃんもリラックスできなくてモソモソ動いたりグズッてしまったり…。親子で楽しくスキンシップできるよう、正しい抱っこの仕方やコツをご紹介しましょう。

新生児を抱っこする方法は?

抱っこは、赤ちゃんのお世話のあらゆる場面で必要になります。まずは抱っこの基本、横抱きをマスターしましょう。

基本の抱っこの仕方を覚えましょう

赤ちゃんは、ママやパパの抱っこが大好きです。まずは、正しく抱き上げて抱っこする手順を覚えて、たくさん抱っこしてあげたいですね。

横抱き

まずは、赤ちゃんに声をかけます


赤ちゃんを抱っこするときはまず声をかけ、安心させてから抱き上げます。



 1 赤ちゃんの首の下に手を入れます

赤ちゃんは頭が重いので、しっかり支えるためにまず、首の下に手をさし入れます。手のひら全体で赤ちゃんの首から後頭部を包むようにして、上半身を少し持ち上げます。

上から見たら…



   

2 股の間に手を入れます


もう一方の手は赤ちゃんの股の間から差し入れ、おしりを支えます。手を開いておしりを包みこむようにすると安定感がアップ。

3 後頭部をしっかり支えて抱き上げます


首がぐらつかないよう、首から後頭部にかけてママの手のひらを当てて、ゆっくり抱き上げます。このとき、赤ちゃんとママの体を密着させると、ママの腕や腰への負担が少なくてすみます。

  4 手をずらして、腕で頭と体を支えます
  

 
写真の体勢から後頭部を支えている手をゆっくりずらしていき、赤ちゃんの頭と首がママのひじの内側に乗るようにします。赤ちゃんの体は、おしりに当てているほうの手でしっかり支えましょう。

5 基本の横抱き完成!




新生児を抱っこするときのコツは?

生まれたばかりの赤ちゃんは、体が小さくてフニャフニャですね。そんな赤ちゃんを抱っこするときのポイントが2つあります。

「首を支える」「体を密着させる」が2大ポイント

新生児は首がグラグラしているので、まず首をしっかり支えてあげることが大切です。もう一つは、自分の体と赤ちゃんの体をしっかり密着させること。
赤ちゃんは、ママのおなかの中にいたときのような背中が丸くなるような姿勢で、すっぽりとママの腕の中に入るように抱っこすると、安心して落ち着くでしょう。こうしたポイントさえ押さえれば、あとは赤ちゃんにとっても、ママやパパにとっても安定してリラックスできる姿勢ならOKです。

赤ちゃんの頭はひじの内側に乗せて支え、体を密着


ママのひじの内側に赤ちゃんの頭を乗せると、手首に負担がかからず赤ちゃんの首も安定します。ママの体と赤ちゃんの体は、しっかり密着させましょう。

高さ調節に授乳クッションなどを活用

授乳のときや座って抱っこするときは、ママの太ももに授乳クッションなどを置いて高さを調節すれば、ママの腕に負担をかけず抱っこできます。

抱っこするときの注意点・してはいけない抱き方はある?

抱っこに慣れないうちは、不自然な姿勢や手の使い方になったり、変に力を入れてしまいがちです。NGな抱っこをしないように気をつけましょう。

抱っこのときに手首に負担がかかると“腱鞘炎”という事態に 

初めての赤ちゃんで育児に慣れないうちは、手や腕に妙に力が入ってしまい、腱鞘炎になるママが少なくありません。新生児期の赤ちゃんを抱っこするときは、怖くてつい首の後ろを押さえるため手に力が入ってしまったり、肩に力が入ってしまって抱き方が不自然になるなどで、腱鞘炎になりやすいのです。

腱鞘炎へまっしぐら!なNG抱っこ



手首だけで赤ちゃんの体を支えるように抱いたり、赤ちゃんを自分の体から放してこわごわ抱くと、手首に力が入ってしまいます。その結果。腱鞘炎になりやすいので要注意!

新生児を縦抱きしても首は大丈夫?

基本の横抱きにも慣れないうちは、ゲップなどで新生児を縦抱きをするのはさらに難易度が高いかもしれません。でも、コツさえつかめば、新生児期から縦抱きもOKです。

縦抱き

まず声をかけてから


横抱きと同じように、赤ちゃんに声をかけてから抱っこします。何かする前には、必ずひと声かける習慣をつけましょう。

1 両わきから下に手を入れます


赤ちゃんの正面に体を近づけ、両わきの下に手をさし入れます。親指は上に、ほかの4本指は背中側に入れましょう。

上から見たら…



   

2 後頭部を支えて抱き上げます
  

 
4本の指と手のひら全体を、赤ちゃんの背中から首・後頭部にかけて当て、しっかり支えながらゆっくり抱き上げます。
ママの腕は曲げたまま、体が離れないように引き寄せるのがコツ。

3 片手をずらし、腕全体で背中、おしりを支えます


片手を下へずらして、腕に赤ちゃんのおしりを乗せて座らせるようにして体を支えます。
もう一方の手は横にずらし、首から後頭部を支えます。

4 縦抱きの完成!


安定するよう、後頭部、背中、おしりの3点をしっかり支えるのがポイントです。

横抱きや縦抱きから、抱き替えるときの仕方やコツは?

横抱きと縦抱きをマスターしたら、ぜひ抱き替えの仕方も覚えておきましょう。首すわり前の赤ちゃんを、うまく安全に抱き替えられるコツを紹介します。

縦抱き→横抱き

赤ちゃんを縦抱きであやしていて、授乳のために横抱きへ、というものよくあるパターン。縦抱きから横抱きへという流れも、しっかりマスターしておきましょう。

縦抱きの姿勢から…




   

   

1 背中を支えている手をずらし、後頭部を支えます


赤ちゃんの背中に当てていた手を上にずらし、手を広げて首から後頭部を包み込むようにしてしっかりホールド。


 2 おしりを軸に赤ちゃんの体を回転させます

   
赤ちゃんのおしりを軸にして、体を横向きにします。このとき、赤ちゃんとママの体が離れないように注意して。
赤ちゃんの頭は、ママの腕に乗せます。


3 縦抱き→横抱き完了!


左右に抱き替え

母乳の授乳中に左右を入れ替えるときや、ママが抱っこしていて手が疲れたときなど、赤ちゃんの抱き替えが必要な場面もよくあります。最初はこわごわかもしれませんが、すぐに慣れるので大丈夫!

基本の横抱きから…



   1 背中を支えていた腕をずらして、後頭部を乗せます
背中に当てていたママの手をスライドさせ、首から後頭部をしっかり支えます。

2 おしりを軸にして、反対側へグルッと回転


赤ちゃんのおしりを軸にして、ママの手を逆側へ持っていうようにして回転させます。ママと赤ちゃんの体をしっかりくっつけたまま、向きを変えるのがポイント。

3 背中、おしりを支えたら、体勢を調整します


おしりを支えていた方の腕に赤ちゃんを乗せて支え、頭を支えていた手はおしりから背中を支えるためにずらします。体勢は安定するまで微調整を。

4 左右への抱き替え完了!



    

抱っこで寝る赤ちゃんを起こさずに置く方法やコツは?

ママのおなかから出たばかりの赤ちゃんは、外の環境に慣れていないため、なかなか寝つかなかったり、眠っても布団に寝かせると泣いてしまうといったことがよくあります。そんなときに赤ちゃんが安心して眠れるような抱っこのコツを、覚えておきましょう。

胎内にいるときのように、包み込むように抱っこを

抱っこしてもなかなか眠らないときは、おなかの中にいたときのようにして抱っこしてあげましょう。体全体をおくるみやバスタオルなどで包み、ママの体に密着させるように抱いてあげると、赤ちゃんは安心して眠ってくれるはずです。
ただ、赤ちゃんが眠ったと思っても、すぐに下ろすと目を覚ましてしまいガッカリ…ということに。赤ちゃんが熟睡して、体から完全に力が抜けるまではガマンガマン。布団に下ろすためにママの体から離すときは、「ゆっくりそーっと」がコツです。

横抱きで眠った赤ちゃんを布団に置く

横抱きで寝かしつけたら…


   

1 背中を支えていた腕をずらして、後頭部を支えます


赤ちゃんの背中に当てていたママの手を上の方にスライドさせ、首から後頭部を持って、グラグラしないようにしっかり支えます。

2 おしり→背中→頭の順で、ゆっくり下ろします


下ろすときは、ママの体からいきなり離してはダメ。最初におしりを下につけ、赤ちゃんの体を
ゆっくり倒しながら背中、頭の順でそっと下ろしていきます。

3 支えていた手をゆっくり抜きます


最初は、足を支えていた手から静かに引き抜きます。首の下の手は、焦って抜くと目を覚ましてしまうことが多いので、ゆっくりゆっくり慎重に引き抜きましょう。

抱っこしすぎると「抱き癖」がつくって本当?

昔は、赤ちゃんが泣くたびに抱っこをすると、「抱き癖がつくから、すぐに抱っこしない方がいい」と言われていた時代がありました。今でも、周囲の人から抱き癖のことを言われて、気にするママもいるようです。でも、「抱き癖」は今の育児では死語も同然。赤ちゃんにとって、抱っこがいかに大切かを知りましょう。

抱き癖は気にせず、泣いたら抱っこしてあげていいのです

赤ちゃんは、ママの抱っこが何より好きです。おなかの中にいたときのように、ママのぬくもりを感じ、心地よくて安心できるからでしょう。
一方、「抱き癖」とは、大人の都合でできた言葉。赤ちゃんが泣くたびに抱いていると、それが習慣になって用事ができなくなるなど大変なので、「抱き癖」という言い方をして困ったことだと考えられたのです。

でも、赤ちゃんは何かあると、泣いて訴えるしかありません。そんなときはすぐ抱っこしてあげると、「泣いたら抱っこしてもらえる」とわかっていきます。その積み重ねで、赤ちゃんのママに対する信頼が強まっていき、親子の絆も深まります。そしてそれが、情緒の安定にもつながると言われています。それに、「泣いたら抱っこ」が習慣になったとしても、赤ちゃんの発育や発達には何も問題ありません。たっぷり抱っこできるのも、赤ちゃん時代の一時期のこと。ママはちょっと大変なときもあるかもしれませんが、抱き癖などという言葉を気にせず、ぜひたくさん抱っこしてあげてください。

抱っこのとき、新生児の足はどうすればいい?

新生児を抱っこするとき、足のことは案外忘れがちです。でも、足の状態やポジションによっては、股関節脱臼を起こすこともあるので注意が必要です。

股関節脱臼を防ぐため、足は「M字形」に広げて抱っこします

赤ちゃんの関節はまだゆるいために、股を閉じて足をまっすぐに伸ばした状態や、足が自由に動かしにくい姿勢で抱っこしたりすると、股関節がはずれて股関節脱臼を起こしてしまうことがあります。

股関節脱臼を防ぐには、赤ちゃんが足を曲げ伸ばしできたり、股関節をしっかり広げられるようにすることです。赤ちゃんの足は、まっすぐピンと伸びていることは少なく、たいていM字型にカエルのように曲げられていますね。抱っこするときもしっかりM字形に広げて、自由に足を動かせるよう、赤ちゃんの両足でママの体をはさむようにして抱っこするようにしましょう。

新生児が抱っこを嫌がることがあるのはなぜ?対応は?

赤ちゃんが泣いたからと抱っこしても、泣き止むどころか余計に泣いたり、のけぞって嫌がったりすることもあるものです。抱っこを嫌がる赤ちゃんなりの理由と対処法を知って、上手に抱っこしてあげましょう。

おなかの中に近い状態になるよう抱っこします

赤ちゃんが抱っこを嫌がることがありますが、以下のようにいくつかの理由が考えられます。

1 我慢できないくらいおなかが空いている。

2 おむつが汚れていて、気持ちが悪い。

3 眠くて寝たいのに、うまく眠れない。

4 抱っこがまだ不慣れなため、居心地が悪い。

抱っこを嫌がる=抱っこの仕方が悪い、と思いがちですが、1、2のような理由のことも多く、おっぱいやミルクを飲ませたり、おむつを替えてあげるとおさまることがよくあります。

また、案外多いのが、3の「眠いのに寝られない」というケース。赤ちゃんはママのおなかの中にいたとき、短い周囲で眠ったり起きたりを繰り返しています。そのため、生まれてしばらくは睡眠のリズムが整わないうえ、環境に慣れないために、スムーズに眠れないということがよくあります。新生児期はママが抱っこに不慣れなため、4のように居心地が悪いという理由で抱っこを嫌がることもあります。

3、4が考えられる場合は、赤ちゃんが安心できるような抱き方をしてあげることが大切です。赤ちゃんは、少し前までママのおなかの中で、体を丸めて温かい羊水に囲まれていました。そこで、おくるみやバスタオルなどでくるみ、体を丸めた姿勢になるようにして、ママの体にピッタリ密着させて抱っこすると安心します。その際、ママの心臓に近い位置で抱っこすると、ママの鼓動が感じられて、さらに落ち着くでしょう。

また、赤ちゃんが泣くからといって、ママが焦ったりイライラしたりしないことも大切です。「赤ちゃんは泣くのが仕事」「今の時期、泣くのは当たり前のこと」と、ゆったりかまえて抱っこしてあげましょう。赤ちゃんはママの感情を敏感に感じ取るので、ママが大らかな気持ちでいれば、赤ちゃんもリラックスできるはずです。

新生児を抱っこで揺らすと「揺さぶられっ子症候群」の心配はある?

赤ちゃんをあやすときに、抱っこでゆらゆら…というのはよくあることですね。でも、赤ちゃんを揺らすと「揺さぶられっ子症候群」になるのでは?と心配になるパパ&ママもいるようです。

体に密着させて抱っこし、軽く揺らす程度なら心配いりません

「揺さぶられっ子症候群」とは、赤ちゃんの体を強く、大きく揺することによって、脳などがダメージを受けて、硬膜下血腫、クモ膜下血腫などが引き起こされることをいいます。これは、新生児の脳を豆腐に例えて考えるとわかりやすいでしょう。

豆腐1丁が入る容器に、半丁分しか豆腐が入ってない状態をイメージして下さい。この容器を強く動かすと、豆腐が動いて崩れてしまいますね。新生児の頭の中は、まさにそのような状態です。脳の周囲にはすき間が多いので、頭が揺さぶられると脳がダメージを受けやすくなっています。

ただ、揺さぶられっ子症候群が起こるのは、速く振り回したり、激しく揺さぶったりしたような場合です。抱っこでユラユラする、といった程度の優しい動かし方なら、まず心配はいりません。赤ちゃんも、抱っこで揺すられるのは、むしろ気持ちがよくなって眠りにつきやすいでしょう。どうしても気になる場合は、赤ちゃんの体がぴったり密着するように抱っこして、ママやパパが自分の体をゆっくり揺らすように動けば大丈夫です。

取材・文/村田弥生 撮影/目黒-MEGURO.8

監修
木下智恵先生
成城木下病院
2001年、横浜市立大学医学部卒業。東京大学医学部産婦人科、順天堂大学医学部産婦人科勤務を経て2005年より現職に。専門は周産期学のほか、婦人科腫瘍、不妊症、月経異常。元気で気さくな1男2女のママドクターです。
成城木下病院

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