赤ちゃんがなりやすいおむつかぶれの対策は?軟膏をつければ治る?【症例写真つきで専門医が解説】

 専門家監修
公開日:2017/10/09
更新日:2019/04/16
赤ちゃんがなりやすいおむつかぶれの対策は?軟膏をつければ治る?【症例写真つきで専門医が解説】
監修
加藤さき子先生
高野医科クリニック副院長

おむつかぶれは、ほとんどのママが経験する赤ちゃんの肌トラブルの一つです。赤ちゃんの肌はデリケートで刺激に弱いので、おしりがすぐに赤くなってしまいます。おむつかぶれのケアのポイントや予防のヒントを知って、赤ちゃんの肌を守ってあげましょう!

おむつかぶれってなに?

おむつかぶれとは

おむつを長時間あてたままにしておいたり、うんちのついたおむつを替えるのが遅れたりしたとき、赤ちゃんの肛門を中心に、おむつの当たる部分が炎症を起こした状態を「おむつかぶれ」といいます。

おむつかぶれは、どんな症状が出るの?

おむつかぶれの症状

最初は、肛門を中心におむつをつけた部分の皮膚がうっすらと赤くなったり、赤くブツブツした湿疹ができたりします。その程度なら痛みもなく、適切な対応をしていればすぐによくなります。
対応が遅れたりしてひどくなると、炎症が股間全体に広がって真っ赤になったり、皮膚が赤くただれてむけてしまうこともあります。おふろのお湯がしみたり、おむつ替えでおしりをふいて痛かったりすると、赤ちゃんは泣くこともあるでしょう。

おむつかぶれの症状を写真で確認!

肛門のまわりを中心に、おむつの当たる部分全体にできます。紙おむつのテープや、ギャザー部分が当たる場所にもできることもあります。

股間全体に広がったおむつかぶれ

おむつが当たる部分の広範囲がおむつかぶれになっています。

軽いおむつかぶれ

皮膚が重なる部分が、うっすらと赤くなっています。この程度なら、基本の対応ですぐに治るでしょう。

肛門の周囲にできたおむつかぶれ

肛門のまわりがおむつかぶれに。範囲は狭いですが、赤みが強いのでしっかり対応することが必要です。

肛門のまわりがこすれて赤くむけている

肛門周辺に赤い発疹ができ、うんちをふくときなどにこすれて皮がむけてしまいました。受診して、処方された軟膏による治療が必要です。

おむつかぶれの原因はなに?

おむつかぶれの原因

赤ちゃんのおむつの中は、ムレやすく高温多湿になりがちです。おむつ替えが遅れたりすると、やわらかくて薄い赤ちゃんの皮膚はふやけて傷つきやすい状態になります。そこにうんちやおしっこに含まれる酵素やアンモニアがついたり、おむつと肌がすれあったり、ふくときにこすれたりといった刺激が重なると、炎症が起きてしまいます。これが「おむつかぶれ」です。
夏にたくさん汗をかいたとき、下痢をしてうんちの回数が増えたときのほか、紙おむつのメーカーを変えて肌に合わなかったときも、おむつかぶれになりやすいので注意しましょう。

おむつかぶれはどうやって治すの?薬は使う?

おむつかぶれになったときの対応

おむつかぶれの対応は、「清潔」「乾燥」「保湿」の3つがポイントです。おしりが赤くなった程度なら、この対応を心がければ、1~2日で治るでしょう。

清潔
おむつはとにかく、こまめに替えましょう。おしっこだけでもおしりまわりをふいてあげます。おしっこに含まれる尿素やアンモニアが、おしりの皮膚には刺激になるからです。市販のおしりふきでアルコールが含まれているものは刺激になることがあるので、ガーゼやコットンなどをぬらして使うといいでしょう。皮膚が赤くなっている時はコットンに薬用オリーブ油をしみ込ませて、やさしく処理してあげましょう。
うんちをしたら、できればシャワーか座浴で汚れを流します。座浴とは、上半身は服を着せたままで、腰から下だけ脱がせ、洗面器などに入れたぬるま湯にお尻をつけて洗うことです。その際は、石けんをよく泡立てて、こすらないように手でやさしく洗うのがコツ。
石けんは低刺激のものか赤ちゃん用なら、おむつかぶれが悪化したりすることはありません。洗った後は、石けんの成分が残らないよう、しっかり洗い流します。

乾燥
洗ったおしりは、タオルで軽く押すようにふき、よく乾かしてからおむつをあてます。受診して軟膏を処方されている場合は、医師の指示通りに使いましょう。

保湿
清潔な肌には、ワセリンなどの保湿剤をつけます。皮膚は保湿をすると肌のバリア機能が高まり、外からの刺激に対してダメージを受けにくくなります。

おむつかぶれの薬

皮膚科を受診すると、おむつかぶれの症状に合った適切な軟膏を処方してくれます。症状が軽ければ、皮膚を保護して炎症をやわらげる働きのある亜鉛華軟膏(あえんかなんこう)など、ひどいときにはステロイド入り軟膏で治療します。さらに、保湿剤が処方されることも。つけるタイミング、回数、1回の量などは、医師の指示を守って使うことが大切です。

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下痢でおむつかぶれになったときの対応は?

下痢のうんちは「ふく」より「洗い流す」が正解

下痢をするとうんちの回数が増えるために、おしりをふく回数も多くなります。また、下痢のうんちは特に刺激が強いこともあり、おむつかぶれになりやすいのです。
下痢のときの対応も、「清潔」「乾燥」「保湿」が基本。うんちをしたら、ふくより座浴やシャワーで洗い流しましょう。

おむつかぶれのとき、ワセリンや軟膏、ステロイドの使い方は?

ワセリン

つけた感じはややベタッとしていますが、肌に定着して保湿効果が高い保湿剤。おむつ替えや入浴後の清潔な肌にしっかりつけて、保護しておきましょう。

おむつかぶれ用の軟膏

病院で症状に合ったものを処方してもらい、指示に従って使います。市販の軟膏は効果があまり強くない反面、いろいろな症状に効くよう多くの成分が入っていることもあるので、おすすめできません。

ステロイド

ステロイドの塗り薬は、かゆみや赤みを抑える効果がありますが、副作用をこわがる人も多いようです。でも、効き目の弱いものを短期間だけ局所的に使うため、副作用の心配はありません。処方されたら、医師の指示どおりに使いましょう。ママの判断で勝手に使用をやめるのはNGです。

おむつかぶれにならないための対策はある?

おむつかぶれを防ぐ7つの対策

基本はおむつかぶれのときと一緒で、おむつをこまめに替え、「清潔」「乾燥」「保湿」を心がけます。予防のための7つの対策で、おむつかぶれを防ぎましょう。

1 おむつが汚れたら、すぐに替える
おむつかぶれの原因となるおしっこやうんちをしたら、早めにおむつを交換しましょう。

2 ふくときはゴシゴシこすらない
ふくときの刺激もかぶれの原因になるので、やさしくふきとるようにします。市販のおしりふきはアルコールが含まれていることがあるので、ガーゼやコットンを使いましょう。

3 おしりをしっかり乾かす
おしりをふいたりおふろに入ったりした後は、よく乾かしてからおむつをつけます。

4 ワセリンなどでおしりをガード
肌をガードしてバリア機能を高めるため、清潔にして乾かした肌には保湿剤を塗る習慣をつけましょう。

5 うんちをしたら、シャワーでおしりを流す
うんちはふくよりも、流して落とすほうが刺激になりません。

6 おしりはよく泡立てた石けんで洗う
肌をこすると刺激になるので、石けんはよく泡立ててから使います。ママの指に石けんの泡をつけて、くびれの中までしっかり洗いましょう。

7 洗ったおしりはタオルで押しぶきする
洗ったあとは、こすらないようやわらかいタオルで軽く押すようにして、水分をしっかりとります。

ベビーパウダーって使っていいの?

ベビーパウダーは不要。しっかりケアを

ベビーパウダーをつけると、最初はおしりがサラッとします。でも、おむつをつけると中がムレてパウダーが固まり、かえって不潔になることがあります。おむつかぶれの基本ケアをしていれば、ベビーパウダーを使う必要はありません。

病院に行ったほうがいい場合もある?

おむつかぶれで病院に行く目安

おむつかぶれができたときは、「清潔」「乾燥」「保湿」というおむつかぶれの基本ケアをします。2~3日ケアを続けてもよくならないときや、赤みが強い、赤い発疹が広がる、皮膚が真っ赤になって皮がむける、などのときには、早めに皮膚科を受診しましょう。

おむつかぶれと間違いやすいカンジダ皮膚炎に注意!

おむつかぶれとカンジダ皮膚炎の症状の違い

カンジダ皮膚炎は、おむつかぶれなどで傷ついた状態の皮膚に、便の中などにいるカンジタ菌というカビの一種が感染して炎症を起こす病気です。
症状はおむつかぶれと似ていて区別が難しいのですが、おむつかぶれはおむつが当たっている部分の皮膚全体が赤くなるのに対して、カンジダ皮膚炎はしわの奥にまで赤いブツブツができます。ひどくなると、赤くなった周囲の皮膚がレース状にむけることもあります。
おむつかぶれが長引いているときは、早めに皮膚科を受診しましょう。
カンジタ皮膚炎と診断がついたら、抗真菌剤で治療します。おむつかぶれに使うステロイドの軟膏をつけると悪化するので、注意が必要です。

カンジダ皮膚炎

おむつかぶれと違い、おむつの当たらない部分にもできます。写真のように、しわの奥までできるのが特徴です。

普通のおむつかぶれ

カンジダ皮膚炎と違い、しわの中は赤くなっていません。

取材・文/村田弥生

写真協力/育児雑誌『Baby-mo』の全国読者のみなさん

一部写真出典/『はじめてのママ&パパの病気とホームケア』(主婦の友社刊)

監修
加藤さき子先生
高野医科クリニック副院長
1984年日本医科大学卒業。同大学日本医科大学付属病院皮膚科助手、複数のクリニック勤務などを経て、2003年から現職。日本皮膚科学会認定専門医。葛飾区にあるクリニックは、アトピー性皮膚炎をはじめとした肌トラブルの診療やスキンケアの指導が評判で、幅広い年齢層の患者でにぎわっています。

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