寝てくれない赤ちゃんとの初めての育児で直面した孤独感【睡眠コンサルタント愛波文さんインタビュー 第1回】


愛波 文さん
子どもの睡眠コンサルタント
わが子の睡眠に悩みがつきないママやパパは多いもの。寝ない、すぐに起きてしまうといった、睡眠に関するさまざまなお悩みを解決すべく、妊婦と子どもの睡眠コンサルタント 愛波さんにお話をうかがいました。第1回となる今回は、米国IMPI公認資格を日本人で初めて取得した経緯とご自身の経験をお聞きしました。
赤ちゃんなのに寝ない。出産して初めて知った寝かしつけの大変さ
5才から18才までニューヨークで過ごし、日本の大学を卒業して就職・結婚。夫の仕事の都合で渡米し、長男をサンフランシスコで、次男をニューヨークで出産した愛波さん。現在は5才と2才の男の子の子育てをするかたわら、妊婦と子どもの睡眠コンサルタントとして、日本人はもとより世界各国の子どもの睡眠に悩む育児にかかわる人のコンサルテーションを行っています。いまや講師としてもご活躍中ですが、自分が出産するまでは「子どもはつかれたら勝手に寝るもの」だと思っていたといいます。 「赤ちゃんは寝るのが当たり前だと思っていました。でも実際に長男が生まれてみると、それはまったく違って……。寝かしつけにとても苦労したんです。1人目だったこともあり、自分を犠牲にしてこの子のためになんでもやる!と必死でしたが、それも生後4・5カ月のころには限界がやってきました」 アメリカでの初めての子育て。夫は出張も多く、海外生活で実母にも頼れず強い孤独を感じたそうです。なかなか寝てくれない長男を抱え、つかれはたまる一方でした。 「アメリカでは、バランスボールが出産準備グッズの定番となっています。抱っこしてバランスボールで揺れると、赤ちゃんはおなかの中にいたときと同じような揺れを感じられるのだそうです。私も友人に『すぐ寝るよ』といわれて試しましたが、バランスボールを使っても長男は全然寝なかった。気づいたら3時間。私は汗だくになっていて、『なんでこの子はこんなに寝ないんだろう』と泣いた日もありました」
寝かしつけにも対策があった! 独学のねんねトレーニングで夜通し寝てくれるように
転機となったのは、すでに限界を越えていた生後7~8カ月ごろのママ友のアドバイスでした。 「そのころの私は常に眠くてしょうがない状態でしたが、アメリカ人のママ友はみんなとても生き生きしていました。夜は友人とごはんを食べに行ったり、ジムに行ったり……。『なぜそんなことができるの?』と聞くと、『この本を読んでみたら?』と本をすすめられたんです」 ママ友からすすめられたのは、子どもの睡眠に関する本でした。その本を読んで、愛波さんは「こんな対策があるの!?」と驚いたそう。 「本屋さんへ行って子どもの睡眠に関する本を片っ端から読みました。アメリカの本屋さんには専用のコーナーがあるくらい、たくさん子どもの睡眠に関する本があるんです。さまざまな考え方があり、いろいろなメソッドもあります。初めに手に取った本はかなり子どもを泣かせる方法だったので、私の家族にあった方法を求めて本を大量に読破。ネットでもとにかくいろいろな情報を仕入れました。それらの知識をもとに独自のねんねトレーニングを始め、4日で長男は夜通し寝るようになりました」 これまでの苦労して寝かしつけていたのが嘘のよう。家族みんなが安眠できるようになり、愛波さんの子育てにも余裕が生まれました。
睡眠の改善で子どもの機嫌がよくなった! 安眠がもたらした生活の変化
夫が早く帰ってきた日は、長男が寝た後ヨガに行くこともできるようになり、まるで自分が別人になったように感じたといいます。 「なにより、息子の機嫌がよくなりました。以前は機嫌が悪くなることも多かった夕方も、機嫌よく過ごすようになったんです」 子どもの睡眠を整えることのメリットを実感した愛波さん。もう少し勉強してみたいと調べていると、睡眠コンサルタントという仕事があることを知ります。それは、アメリカでも2009年ごろから始まった新しいものでした。育児と仕事をこなしながら資格取得のための勉強を始め、見事、日本人で初めて米国IMPI公認資格を取得します。 「産後仕事を始めたのも、あまりにも育児が大変で少し子どもと離れたいと思ったことからでした。仕事初日にひとりでトイレに行けることにすごく感動したんです。誰もドアを開けないし、すき間から小さな手が見えることもない(笑)。さらに、お昼休みがあることにも感動を覚えました。自分のために1時間もある! このお昼休みをただごはんを食べて過ごすのはもったいないと感じたんです。そこで、妊婦と子どもの睡眠コンサルタントの資格取得コースの勉強を始めました。昼休みの1時間だけが勉強時間でしたので、取得までかなり時間はかかりました」
子どもの睡眠に悩んだ時、相談できる専門家がいることを知ってほしい
資格取得後は、睡眠コンサルタントが愛波さんの本業に。アメリカ人をはじめ、クライアントはブラジル、パリ、ロンドン、タイ、香港など、国や地域を問わず世界中からの依頼に対応しています。 「日本人のコンサルテーションを始めてみると、かなりニーズがあると感じました。アメリカよりもニーズがあると感じています」 昨年9月からは資格取得コースも開始し、日本人向けの資格取得コースの講師も務める愛波さん。受講生はやはり、ご自身が子どもの睡眠に悩んだことをきっかけに受講している方が多いそう。 「睡眠コンサルタントは、睡眠に関する悩みや問題を解決する“睡眠の専門家”。私が所属している米国IMPIの睡眠コンサルテーションの内容は、すべてエビデンス(検証結果)がベースとなっています。小児科の先生や医学者の論文などをもとに、さまざまなメソッドを勉強したコンサルタントが、それぞれのご家庭や子どもにあった方法を提供していくもの。まだ新しい分野ですが、これから日本でもコンサルタントが増えていきます。育児や睡眠に悩んだ時に相談できる専門家がいるということを広めていきたいですね」 次回は、子どもの睡眠に対する日米の認識の違い、「寝かしつけの予防」としてのコンサルテーションについてご紹介します。 (第2回へ続きます)
撮影/福村美奈(主婦の友社写真課) 取材・文/木村亜紀子

愛波 文さん
子どもの睡眠コンサルタント
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