感染に注意したい赤ちゃんの冬の病気。具体的な症状やケア【小児科医監修】

 専門家監修
公開日:2017/02/08
更新日:2019/07/05
感染に注意したい赤ちゃんの冬の病気。具体的な症状やケア【小児科医監修】
監修
渋谷紀子先生
総合母子保健センター愛育クリニック

まだまだ寒い日が続き、かぜや感染症予防に気を配りたい時期。「インフルエンザ」や「RSウイルス感染症」などのトラブルのほかにも、感染に注意が必要な病気をリストアップしました。いざというときのために、知っておくと安心です。

冬に注意したい感染症7

◆気管支炎◆

主な症状

たんのからむ湿ったせきが出る、食欲がない、熱が出る

完治の目安

せきで苦しい時期が4日ほどあり、完治まで1~2週間ほど

どんな病気?

ウイルスが原因のことが多く、かぜがこじれてのどの炎症が気管支に及ぶケースが一般的。かぜの症状に続き、ゴホゴホと重いせきが出ます。

治療とケア

気管支が狭くなる「ぜんそく性気管支炎」では、外来で気管支を広げる薬を吸入することがあります。呼吸困難の症状があったら入院して治療します。

◆クループ症候群◆

主な症状

のどが赤くなる、オウッオウッなどの犬の遠ぼえのようなせきが出る

完治の目安

薬の吸入などで5日ほど。2才以下は入院することも

どんな病気?

のどの奥から気管と食道が分かれるあたりまでの、喉頭に炎症が起きます。パラインフルエンザウイルスによるものが多く、窒息を招くことも。

治療とケア

喉頭のむくみをやわらげる薬の吸引やステロイド薬の使用で治療します。

◆細気管支炎◆

主な症状

熱・鼻水などにひき続き、ゼーゼー、ヒューヒューをともなうせき

完治の目安

1週間以上熱が続くことも。薬の吸入などで10日ほどで回復

どんな病気?

気管支より先の細気管支に炎症が起きます。6カ月前後の赤ちゃんに多く、RSウイルスが主な原因。かぜ症状に続いてせきが強まります。

治療とケア

気管支を広げる薬の吸入をし、呼吸状態が悪い場合は入院。月齢の低い赤ちゃんほど急変するので注意が必要。

◆肺炎◆

主な症状

……高熱が出る、湿った重いせきが出る、食欲がなくつらそう

完治の目安

……症状が軽ければ自宅で1週間ほどで回復、入院した場合は1~2週間

どんな病気?

……ウイルス性、細菌性、その中間の病原体のマイコプラズマによるものがあります。月齢が低い赤ちゃんは呼吸状態に注意が必要です。

治療とケア

……呼吸状態が悪ければ入院治療し、必要に応じて抗菌薬を使います。自宅では湿度を適度に保ちます。

◆ウイルス性胃腸炎◆

主な症状

熱、急な嘔吐や下痢、血便

完治の目安

原因菌にもより、1~2週間

どんな病気?

サルモネラ菌やブドウ球菌など、細菌に汚染された食べ物などを介入して起こります。腹痛とともに激しい下痢や嘔吐が続きます。

治療とケア

細菌を外に出すため、無理に止める薬は使いません。水分を少しずつ与えて脱水症状を予防して。

◆溶連菌感染症◆

※冬とともに、春~夏にもピークがあります

主な症状

熱が出る、のどが痛む、こまかい発疹、舌に赤いポツポツ

完治の目安

薬で熱は1~2日で下がり、発疹も2~3日でおさまります

どんな病気?

体内にこの菌を持つ人からのせきやくしゃみでうつります。3才以下の乳児はのどの赤みと痛みしか症状が出ないことも多いです。

治療とケア

診察や迅速キットで診断されたら、抗菌薬を10~14日服用します。薬でのどの痛みも消えます。

◆水ぼうそう◆

※冬~春にかけてかかりやすい

主な症状

赤い発疹が水疱になり、強いかゆみがある、熱が出る

完治の目安

熱は2~3日で下がり、水疱は1~2週間できれいになります

どんな病気?

感染力の強い病気です。母親がかかっていなければ新生児でもかかります。赤い発疹は短期間で水疱になり、かゆみをともないます。

治療とケア

1歳でワクチンが受けられます。感染者と接触後、3日以内ならワクチン接種で発症を予防できる可能性があります。

その他の注意したい赤ちゃんの感染症

赤ちゃんは冬に限らず、さまざまな感染症にかかります。かぜなどにかかりながら少しずつ免疫をつけ、丈夫になっていくものですが、中には注意したい感染症もあります。冬に限らず、知っておいてほしい赤ちゃんの感染症をまとめました。

◆百日ぜき◆

※季節に関係なくかかります

主な症状

かぜ症状から、せきが激しくなる。コンコンヒューッと息が止まりそうなせき

完治の目安

独特のせきの症状が、3ヶ月近く続きます

どんな病気?

かぜ症状から、だんだんせきが激しくなり、コンコンと連続したせき込みのあとにヒューッと音をたてて吸い込む、苦しいせきが続きます。

治療とケア

四種混合ワクチンで予防できます。かかったら、有効な抗菌薬を使用して症状を軽くします。

◆おたふくかぜ◆

※季節に関係なくかかります

主な症状

熱が出る、耳の下やあごの下がはれて痛む

完治の目安

はれは2日以内がピーク。熱は2~3日で下がり、1~2週間ほどで完治

どんな病気?

せきやくしゃみからうつり、耳の下からあごにかけてぷっくり「おたふく」のようにはれます。一度かかると二度とかかりません。

治療とケア

自宅で静かに過ごします。熱が高くてつらそうだったり、はれが強い場合は解熱薬が処方されることも。

◆風疹◆

※春~初夏に多い傾向ですが、特別な季節性はありません

主な症状

耳の後ろのリンパ節がはれる、全身に赤くて小さい発疹、熱が出る

完治の目安

発疹は2日ほどで消え、熱は3~4日で下がります

どんな病気?

俗に「三日はしか」といわれるように、はしかを軽くしたような症状が出ます。熱は微熱しか出ないことも。1才から小学生低学年が多いです。

治療とケア

1歳になったらワクチンを。大人も免疫がなければ受けましょう。妊婦さんが感染すると、赤ちゃんが先天性風疹症候群になる危険があります。

◆はしか◆

※春の初め~初夏にかかりやすい

主な症状

熱が出る、かぜ症状、発熱から4~5日後に全身に赤い発疹

完治の目安

発熱は一度下がって再び上昇し、発疹。10日ほどで落ち着きます。

どんな病気?

感染力の強い麻疹ウイルスによって高熱と発疹が出ます。こわいのが肺炎や脳炎などの合併症。予防接種を受けることが大切です。

治療とケア

特効薬はなし。安静にして、回復しても1ヶ月くらいは無理をせずに過ごします。

出典 :Baby-mo(ベビモ) 2017年01月冬春号※情報は掲載時のものです

監修
渋谷紀子先生
総合母子保健センター愛育クリニック
東京大学医学部卒業。東京大学医学部附属病院、山王病院、NTT東日本関東病院などの勤務を経て、現職。専門は小児アレルギー。私生活では四女の母でもある、やさしくパワフルなドクターです。

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