不安・孤独・挫折感。ママが感じる産後のモヤモヤ体験談&アドバイス


生駒美穂子先生
川島産婦人科医院 院長
想像していた以上に大変で、つねに悩みがつきない初めての育児。「どうしてこんな気持ちになってしまうの」「私はダメな母親なんじゃないか」と自分を責めてしまうことも少なくありません。実際に「もしかして産後うつだったのかも」と感じているママたちは、どんなことに不安を抱えていたのでしょう。その体験談を産婦人科ドクターがチェック&アドバイスします。
◆ケース1◆
産後すぐから自分を責めたり、不安でたまらなくなったり。何度も何度も泣きました(Kさん・4カ月の男の子)
気持ちがブルーになり始めたのは、産後すぐのころから。母乳は出たのですが、私の乳首の形が原因で赤ちゃんがおっぱいを吸わなかったので(コメント①)ミルクになり、自分を責めてしまい、だんだんと落ち込みがちになりました。
産後2カ月目くらいまでは心身ともに疲れ切っていて、本当ならミルクの間隔は3時間ごとのはずなのに、1時間半とか1時間で泣かれる(コメント②)と、とにかくパニック! 赤ちゃんもミルクをあげるまで息が止まってしまう(コメント③)のではと心配になるほど大泣きするので、そうなるのがこわくてつい与えてしまいました。
頭の中は常に授乳間隔のことでいっぱい。いま振り返ると、心配性だっただけかもしれません。
落ち込みのもうひとつの原因は、里帰り出産で自宅にいたとき、赤ちゃんが私よりも母になついているような気がしたこと(コメント④)。私があやしても泣きやまないのに、自宅に戻ったらどうなるんだろうと不安で何度も泣いてしまい……。
母はそんな私を叱咤激励してくれたのですが、自分の中にも「このままでは心が壊れてしまうかもしれない。そうなったらいけない!」という危機感がどこかにあり、必死に奮い立たせてきたように思います。それからは不安なことがあったらためこまず、先輩ママである姉や妹、信頼できる助産師さん(コメント⑤)にすぐ相談をするようになりました。今は気持ちにも余裕が出て、以前のように悩むことは少なくなりました。
ドクターからのコメント
①……たまたま乳首がそういう形だっただけなので、落ち込む必要はまったくありません。おっぱいでなくミルクでも赤ちゃんはちゃんと育つので大丈夫です。
②……「はずなのに」というところから、完璧にやろうとがんばっていた気持ちがうかがわれます。予定外の時間に泣かれるとパニックになるママも多いのですが、だいたいでいいのです。
③……そんなに簡単に息は止まらないので大丈夫。心配しすぎると、ひとときたりとも赤ちゃんから離れられなくなってしまいます。また、赤ちゃんの泣き声を気にする人もいますが、大らかな目で見守ってくれる人もいるので、あまり人の目を気にしないで。
④……たとえじょうずにあやせなくても、赤ちゃんがいちばん好きなのはママに決まっています。あやしても泣きやまないのは、ママ自身がイライラしていたからかもしれません。
⑤……ママがいちばん信頼している人に相談するのがベター。子どもが大きくなっても赤ちゃん時代の子育てというのは忘れないものなので、家族や友だちに限らず、出産経験のある人に相談するのもおすすめです。
◆ケース2◆
誰とも話したくなくなり、友だちへの連絡も途切れ……。いま考えるとおかしかったと思います。(Nさん・1才3カ月の男の子)
妊娠高血圧症候群で1カ月半ほど入院し、退院後も乳腺トラブルがひどく、心身ともかなりまいっている状態でした。最初に気分の落ち込みを感じたのは、産後2日目。当時、赤ちゃんの頭にいちご状血管腫ができていたのですが、私が赤ちゃんの頭にスマホをぶつけてしまった(コメント①)のが原因かもしれないと思ってしまったんです。実際はそのせいではなく、知っている人から見ればなんでもないことだったのでしょうが、まわりの人がどんなに大丈夫だからと言ってくれても悩み続け、心配な気持ちは消えないまま。ついには誰とも話したくなくなり(コメント②)、友だちにも「生まれました」のラインを送ったきりで、電源をオフに。そのころはスマホを見るのもさわるのもイヤで、一時は解約も考えたほどでした。
あとから母に聞いた話では、私がいつか2階から飛び降りてもおかしくない状態(コメント③)だと思い、とても心配だったそうです。いま考えると、自分でもおかしかったと思います。
実家では、長い間世話になっていましたが、自宅に帰ってからはパパも仕事が忙しく、最初のころは2人きりでどよ~んとした日々を送っていました。赤ちゃんが5カ月のころ、地域の親子教室に参加(コメント④)したことも元気が出る大きなきっかけとなり、家族や助産師さんたちに甘えさせてもらいながら、ようやく長いトンネルを抜け出せました。いまは復活できて本当によかったと思います。
ドクターからのコメント
①……「私がいけない」と自分を責めて落ち込み、うつ状態を発症させるステップになってしまっています。
②……この時点でうつの状態があらわれているので、つらかったことでしょう。
③……完全なうつ状態だったといえます。おそらく表情もいつもと違い、意欲の低下が見えたり、お子さんに接する態度などを見て、お母さんも心配されていたのだと思います。
④……これは大賛成。誰かに話を聞いてもらったり、電話で相談するだけで産後うつがよくなる人もいるので、こういった場所や機関を積極的に活用したいものです。地元の人間関係が苦手、という人なら、少し離れたエリアまで足を延ばしても。

生駒美穂子先生
川島産婦人科医院 院長
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