会陰切開ってホントに痛いの? しなくてすむには!?

コラム
公開日:2016/09/02
更新日:2017/11/30
会陰切開ってホントに痛いの? しなくてすむには!?

会陰(えいん)切開……、赤ちゃんを産み出すだけでも痛そうなのに、さらにアソコを切るなんて!と妊娠中から恐怖心を持っている妊婦さんも多いようです。怖いと思いながらも実際にはお産のときにやわらかく伸びる会陰というのはなかなかイメージしづらいもの。会陰切開しなくてすむためには? することになっても、傷のなおりをよくするためには? これらすべては、安産&産後のスムーズな育児ライフにつながっています。そのために今日からできること・ケアを始めてみましょう! 先輩ママや助産師さんたちに“会陰切開のホントのところ”を聞いてみました。 【先輩ママに聞きました】 会陰切開、痛かった? 痛くないけど切開されている感覚あり……70 いつ切られたか記憶なし……21 痛かった……9 約9割の人が痛みを感じていなかったよう。やっぱり「切開<陣痛」ということ!?

そもそも会陰ってどこ? 切る場所は?

腟口から肛門にかけての一帯をいいます(下イラストのピンク斜線部)。お産で赤ちゃんがでてくるときに伸びるのは、その周辺も含む広範囲。骨盤底筋群という筋肉のあたり、左右の脚のつけ根の間一帯も影響します。表面の皮膚だけでなく、奥の筋肉までやわらかく伸びるようにしておくことが必要です。 tuika1 子宮口が開いても赤ちゃんがなかなか出て来られずに赤ちゃんが苦しくなってしまう場合、会陰部がかたくて十分に開かない場合、吸引・鉗子分娩の場合になどに会陰切開は行われます。腟口から肛門に向けて切りますが、体の中心線である正中線上にきると肛門まで切れてしまうこともあるため、ほとんどは斜め方向に切ります。下イラストの茶色い部分は赤ちゃんの頭。赤い線は切開方法の種類を示していて、右から「正中切開法」、「正中側切開法」、「側切開法」となります。 部分麻酔をして、会陰切開手術用の先端が丸いハサミを使用するので、切開することで赤ちゃんの頭を傷つけることはありません。赤ちゃんに続いて胎盤まで出たあと、切った部分を縫合します。 tuika2

マッサージとトレーニングで会陰をやわらか~く!

直径約10cmの赤ちゃんの頭が出てくるとき、奥から強い力でぐっと押され、会陰部の筋肉も皮膚もすべてが引き伸ばされます。ここがやわらかければよく伸び、かたければ伸びないことは想像できるのではないでしょうか。写真はニットで会陰部を表現したもの。腟口(写真・上の穴)と肛門(写真・下の穴)の2つの穴はふだんは筋肉も皮膚もキュッとおさまっていますが、お産では写真のように大きく伸ばされてます。 ですから、この部分をやわらかく伸びやすくしておくことが大切。そのためには、トレーニングなどで筋肉を柔軟に強くしておきましょう。皮膚に潤いを与えることも大事。潤いがある肌は、そうでない肌とくらべると、傷の治り方が順調なことが多いからです。また、お産が順調に進むためにはリラックスが欠かせません。そのためには、お産の流れをよく知り、産院スタッフとの信頼関係をしっかり築いておくことも大切です。 tuika collage 乾いて弾力がないのがかたい会陰 ビスケットにたとえるのは大げさですが、かたいということは、もろいということでもあります。かたくて乾いていると、細胞同士の結合もバラバラになりやすく、引っ張ったときに断裂が起こりやすくなります。また、一度切断されると元通りにくっつくのにも時間がかかります。 潤いがあって伸びがいいのがやわらかい会陰 やわらかくて湿っていると、細胞同士も粘り強く結合し、引っ張られたときにもしっかり伸びることができます。マシュマロのような弾力性を持った皮膚は、切れてもまたくっつきやすく、伸びたものが縮まれば、その傷あとはあまり目立たなくなります。15-2c.png [ページ区切り]

妊娠中いつからでもスタートOK! 骨盤底筋群を鍛えよう!

赤ちゃんの頭が出る時に引き伸ばされるのは、表皮の内側にある筋肉も同様。よく伸びる筋肉とは、柔軟に鍛えられた筋肉です。座りっぱなしでいることが多い生活の中では、意識して骨盤底筋群をきたえましょう。腟を締めたり緩めたりして行うケーゲル体操も有効。 15-4- スクワットする しゃがむ動作が多かった昔の人は、骨盤底筋が発達していました。見習って、床のふき掃除やあいた時間にスクワットをしてみましょう。スクワットは動作をゆっくりと、どこかにつかまって体を安定させて。 ウォーキングする 歩くことで下半身の筋肉をきたえます。会陰部だけでなく、筋肉をきたえて全身の血行をよくすることは、お産に必要な体力を蓄えることにつながります。

妊娠37週になったらオイルマッサージで潤いとやわらかさをプラス

今の都市型の生活では、イスに座っている時間がとても長いので、会陰だけでなく股のあたりの皮膚は常に圧迫されてかたくなり、カチコチです。オイルを浸透させるだけでも肌は柔らかくなります。血行が悪くなってこっている部分をもみほぐすつもりで、会陰をマッサージしてみてください。 STEP1 会陰部を外側からもみほぐす 15-3b 臨月に入ったら、多少刺激が加わって陣痛がきたとしても大丈夫。まずは自分の体にふれてみましょう。肌のすべりがよくなるようにオイルを手にとり、会陰部を押しもむようにしてマッサージ。陰唇部のわきもほぐします。 STEP2 内側の方まで、こっているところをもむ 15-3a さわることに慣れてきたら、腟の中に指を入れて腟壁を押すようにして内側からもんでみましょう。さわってみてコリッとした部分はやさしくもみほぐすとやわらかくほぐれます。性的な快感ではなく、肩コリがほぐれるような気持ちよさがあります。 デリケートな部分だけにこわいかもしれませんが、「赤ちゃんの命を産む」という大仕事の一部です。「切った」からといって必ずしも泣くことになるわけでも、難産だというわけではもありません。自分の体と向き合う機会だと思い、妊娠中から「切らない」ためにできるケアを行い、お産に臨んでくださいね!

監修/ 府中の森土屋産婦人科 院長 土屋清志先生 済生会前橋病院産婦人科、大宮赤十字病院産婦人科などを経て、2010年開院。自然なお産をとても大切に考える先生。産院での会陰切開率は吸引分娩を除くと1%。 お産の家Be born 院長 たつのゆりこ先生 助産師、鍼灸師。大学病院の産科・新生児科勤務から自宅出産介助まで幅広い経験を持ち、イギリスでアクティブバースについても勉強。インドのアーユルヴェーダなども融合した自然なケアを行う治療室「Be born」を開設。明るくやさしい笑顔で産前・産後の女性を応援してくれる先生。 
撮影/福村美奈(本誌写真課)イラスト/河合美波 出典:Pre-mo ※情報は掲載時のものです ms20151010ks04-141x180 

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