赤ちゃんの英語教育、本当に英語が使える子に育てたいならやりすぎないで! 

コラム
公開日:2016/03/22
更新日:2016/09/21
赤ちゃんの英語教育、本当に英語が使える子に育てたいならやりすぎないで! 

ベビーのうちから始めたい習いごととして、ママたちに大人気の英語教育。でも、やりすぎには注意なのです。子どもの発達の専門家にお話しを聞きました!

早すぎる英語教育で英語嫌いになることも!?

赤ちゃんのうちから英語教育を受けた子とそうでない子で、学校の英語の成績をくらべた調査があります。結果は、両者に差はありませんでした。「早くから英語を学ばせたい」という親の気持ちが先走って英語にさらされて育った子どもは、楽しんで英語にふれることができず、英語嫌いになる傾向があることもわかっています。赤ちゃん時代は日本語の力を伸ばす大切な時期。無理に英語をつめ込もうとすると、日本語で考える力を育てることもおろそかになってしまいます。

言葉遊びとしていっしょに楽しんで

言葉は、その人の気持ちや考え方、生活や文化などの「中身」が伴ってこそ意味を持ちます。それらを英語で身につけることは、ほぼ日本語だけが使われる社会で育つ子どもにとって、負担が大きすぎて無理があるのです。伝えたい「中身」が伴わないまま、発音だけがいい子どもに育てたいですか? それが英語力だと言えるでしょうか。小学校での英語教育にも、意味はあると思います。自分と異なる言葉や文化を知れば、日本語や日本文化についても深く考える機会になるでしょう。そして、どんな言葉を話していても、地球市民としていっしょに生きていくのだという気持ちが育つと思います。だとすれば赤ちゃん時代にはまず、母語である日本語の根っこをきちんと張らせてあげることがなにより大切なのではないでしょうか。英語は言葉遊びとして、親子で楽しむ程度のふれさせ方で十分だと思います。

日本語の力があれば、英語力もよく伸びます

1才を過ぎると英語のLとRが聞き分けられなくなると言われます。確かに、言語をつかさどる聴覚(言語聴覚)は、生後12カ月で完成するので、日本語に取り巻かれている赤ちゃんは聞き分けられなくなります。しかし、音の高低に関する聴覚(音楽聴覚)は1才を過ぎても発達するので、これを転用することで、12才くらいまでは発音の違いが聞き分けられることがわかっています。幼いうちに身につけておくべきなのは、日本語でしっかり考える力。それが備わっていれば、大きくなってから英語を学んでもよく伸びますよ。

みんなは英語どうしてる?

■家の中ではみんな日本語で話しています

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Iさん&Eちゃん(4才)、Rちゃん(2才)DATA/パパはバングラディシュ人。子どもたちは日本語の絵本が大好きです。

小さいうちは自分の気持ちを言葉にするだけでもむずかしいと思うので、まずは母語でしっかり考えて伝える力が身につくように、家の中ではみんな日本語で話すようにしています。パパ側の親族ともお話ししてほしいので、英語にふれる機会はつくるようにしています。最近は英語の歌を口ずさむこともふえてきました。

■おふろの時間は英語タイムを楽しんでいます

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Mさん&Kちゃん(3才)、Kちゃん(1才6カ月)DATA/遊びを通して覚えた英語をパパやママに使ってみることを楽しんでいます。

子どもたちが大人になるころには、世界中の人がもっと交流しあう世の中になるはず。今は英語が話せるようになることよりも、世界には日本以外にもたくさんの国や文化、いろいろな言葉があることを教えてあげたいと思っています。ふだんの生活では、おふろの時間だけ英語タイムにして親子で楽しんでいます。

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出典:Baby-mo 2016春夏号
※情報は掲載時のものです。

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お話/十文字学園女子大学特任教授 内田伸子先生
お茶の水大学名誉教授。発達心理学、認知心理学、保育学の専門家として、親子のふれあいを大切にした子育てを提唱しています。著書に「子育てに『もう遅い』はありません」(成美堂出版)など。

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