早期教育は本当に赤ちゃんの能力を伸ばす?

コラム
公開日:2014/12/28
早期教育は本当に赤ちゃんの能力を伸ばす?

わが子の将来のために、できる限りのことをしたいと思うのが親心。子どもの能力を伸ばすためには、早い時期からの習い事や能力開発が必須なのでしょうか? 長年、多くの子どもを見てきた井桁容子先生に「本当のところ」を伺ってみました。

子どもの能力を伸ばせるのは子ども自身です

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みなさんは、早期教育が気になりますか? もしかしてそれは、みなさんが早期教育第一世代の子どもだからかもしれませんね。

1970年代、「3才からでは遅すぎる」という言葉が流行し、当時のママたち(いまのおばあちゃん世代)が早期教育に一生懸命になりました。でもその後、多くの専門家が調査を進め、親の希望に沿うように育てられた子どもたちが必ずしも幸せな大人になっていないことがわかってきました。早期教育世代は、家庭内暴力や引きこもりが急激に増えた世代でもあります。

押しつけが続くと、能力を伸ばすきっかけを失う

子どもの能力を伸ばすのは、親ではなく子ども自身だと私は信じています。「すごいなぁ」「不思議だなぁ」と感動できる何かに出合い、心が動き、体が動く。「もっとやりたい」「もっとうまくなりたい」と思う。これこそが才能の芽生えです。でも、親に押しつけられてしまうと、自分が本当は何が好きなのか考える力が育ちません。

親ができることは「気づく」「見守る」

では、親は何もしないほうがいいのでしょうか? いいえ、体験を増やすことは親にしかできません。「この子、音楽が好きそう」と気づいて、楽器にさわらせてみる。「運動が好きみたい」と、さまざまな遊具で遊ばせる。それは悪くありません。習い事も体験を増やす手段として、上手に使うといいですね。でも、本人がイヤそうなら、迷わず撤退しましょう。無理やり続けると「ママのために習い事をする」ということになりかねません。

親のあたたかい見守りが、子どもの能力を伸ばす

もうひとつ重要なことは、子どもの「好き」に共感してあげることだと思います。

ある男の子は家族で遊びに行く途中、工事現場に目がくぎづけになり、一歩も前に進まなくなりました。あまりに夢中になって見ているので、ママとパパはお出かけをあきらめ、交代で2時間つき合ったそうです。私は「これ以上の早期教育はない」と思いました。その子の知的興味が満たされただけでなく、両親に愛されていること、自分が尊重されていることも確かに伝わったと思います。

子どもの「よさ」を見てあげるだけで十分です

「あなたは、あなたのまま、どんどん伸びていきなさい」と親があたたかく見守ってくれれば、子どもは安心して自分の能力を伸ばすことができます。これこそが「伸ばす育児」です。でも、それが意外にむずかしいもの。お母さんはわが子の「できばえ」が気になるので、人と比べたくなる。そして「よく育った」「もう少し人並みに」と思います。でも、それが重なると子どもはつぶれてしまいます。

お母さん、変わってください。本当にのびやかに育てていれば、結果はおのずとついてきます。わが子がもつ「よさ」をちゃんと見てあげる、たったそれだけでいいんですよ。

お話/東京家政大学ナースリールーム主任保育士
井桁容子先生
東京家政大学・短期大学非常勤講師。長い保育体験をいかした講演会や、テレビの子育て番組などで人気。著書『ありのまま子育て』(赤ちゃんとママ社)はベストセラーに。仕事をしながら2児を育て、長女はすでに結婚。笑顔がやさしいお茶目な先生です。
出典:Baby-mo(ベビモ)2014夏秋号 「子どもを伸ばす育児、ダメにする育児」
※情報は掲載時のものです

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