ケガや病気の応急手当のやりかた~チェックと心肺蘇生法~

コラム
公開日:2013/12/20
更新日:2016/08/25
ケガや病気の応急手当のやりかた~チェックと心肺蘇生法~

赤ちゃんの成長にケガや病気はつきものです。いざというときあわてないためにも、ママとしてはとっさのときの応急手当てを知っておく必要があります。その具体的な方法の前に、まずは緊急事態の心得としてこの3つを覚えておいてください。

心得1.事故は必ず起きるものと考えて

赤ちゃんは大人が予想もつかないことをするもの。日本の乳幼児の死亡原因の第1位は、過去50年以上変わらず「不慮の事故」です。事故の可能性は常に頭に入れておいて。

心得2.あわてないで、状況をよく見よう

赤ちゃんがケガをしたり、様子がおかしかったりすると、ついあわててしまいがちですが、まずは落ち着いて。赤ちゃんの状態やまわりの状況を見て、ママは冷静に判断&処置を。

心得3.心肺蘇生の方法を念のために覚えておいて

年間に多くの乳幼児が水の事故で命を落としています。予防や対策はもちろんだけれど、念のためにこのシートを読んで、心肺蘇生の方法を覚えておいて。使わずにすめばそれが何よりです。

ふだんの様子とどう違うかをチェック!

また、赤ちゃんのふだんの様子を知っておくことがとても重要です。いつもと違うサインは泣き方や顔色、機嫌、熱や食欲の有無、ねんね、うんち、おしっこの状態などにあらわれます。いざというとき「なにか違う!」と判断できるよう、ふだんの様子を記憶しておいてください。チェックすべき様子は次の6点です。

チェック1.けいれんを起こしているか?

時間の経過をチェックして、けいれんが5分以内におさまれば家で様子を見て。

けいれんが10分以上、続いていたり、くちびるの色がいつまでも悪いときは救急車を。

チェック2.呼吸のしかたは?

せわしげに呼吸したり、吐くときに苦しそうなとき、肩を使って苦しそうなときは救急車を。

低月齢の子は息を吸い、しばらくすると止めることがありますが、顔色が紫色でなければ大丈夫。

チェック3.泣き方は?

抱っこやおっぱい、おむつを替えても、いつまでも泣きやまないときはトラブルのサインと考えて。

つらいときや痛いときは、いつもと違う泣き方に。ふだんとまったく違うときは救急車を。

チェック4.しぐさ・表情・行動は?

抱っこされても、ぐったりとしたり、目がとろんとしているようなときは受診して。

ふだんは元気に動き回る子が、食べなかったり、あまり動かなかったらSOSのサイン。

チェック5.体温は高い? 低い?

高熱が出ていて、呼びかけてもボーッとして反応しないときは救急車を。

体温が35度程度で体全体が冷たく、意識がうつらうつらしているときは救急車を。

チェック6.うんちの状態は?

1日何度も吐いたあと下痢が1日10回以上続き、元気がない、ぐったりしている、目が奥にくぼんでいるときは救急車を。

大量の血が混ざったり、トマトケチャップをかけたような色のうんちが出るときは救急車を呼んで。

便秘で救急車を呼ぶ事態になることはまずありません。うんちが出なくてつらそうにしていたら受診を。

いざというときのための心肺蘇生の方法

Step.1 意識の確認をして119番に通報

Step1
耳元で徐々に声を大きくしながら、呼びかけます。手足や足の裏をさするなどして反応を見て、可能ならかたい床の上におろします。近くに人がいれば救急車とAEDを頼んで!

 

Step.2 胸骨圧迫をする

Step2
左右の乳頭を結んだ線の真ん中から指1本分下の位置に指2本を垂直に当て、胸の厚さが約1/3沈む強さで、1分間に100回(2秒に3回くらい)のリズムで圧迫します。

実際に赤ちゃんを持つママにどんな事故や緊急事態にあったか、具体的なケースを聞いてみました。

 

体験談① プレールームのシーソーが頭に落下!

幼稚園児3人がつかまっている状態で息子の頭上にシーソーが落下。幸い吹き飛ばされるように転んだおかげでこぶはナシ。大泣きしたあと機嫌も直り、活発に遊び始めました。飛ばされてなかったらと思うと、ぞっとしました。【Rくん(当時11カ月)のママ】

体験談② 頭をぶつけて出血。2針ぬいました

パパが抱っこしたときにキッチンカウンターに頭をぶつけ、そこにあったガラスのキャンドルにゴツン。救急相談に止血方法を聞き、手当てをしながら総合病院に駆け込みました。頭の中は無事でしたが、2針ぬいました。【Tくん(当時6カ月)のママ】

体験談③ びんのフィルムもビニール袋も食べた!

開封していないジャムのびんについているフィルムも、ビニール袋も、ひもやレースもかみちぎって食べました。フィルムは破片が小さくて手を入れてもとれず、飲み込もうとしても飲み込めずしばらく苦しそうでした。【Rちゃん(当時7カ月)のママ】

体験談④ 脱衣所に入って洗剤のふたをガジガジ

パパの作業着用の洗剤のふたでした。これがカビとりだったらと思うと鳥肌が。ほかにはコードをかんでいたことも。パパが昔同じことをして顔に傷が残ったので、それだけはマネさせないようにと家族で気を配っています。【Nちゃん(当時1才5カ月)のママ】

体験談⑤ ドアを閉めるのがマイブームで…

リビングのドアのストッパーに手をはさんだり、ドアを閉めるときに自分の指をはさんだりしています。ケガになりそうな重いドアは今のところ自分で開けられませんが、事故にならないよう親が厳重に確認しています。【Sちゃん(1才2カ月)のママ】

体験談⑥ パパが押さえたため間一髪でセーフ

いつもはパパが抱えて湯船に入れていますが、いったん洗い場に置いたとき、ベビーが自分で湯船に入ろうして、手がつるん! 頭から湯船に落ちそうになった瞬間、パパが手で押さえてセーフでした。ホッ。【Kくん(当時1才)のママ】

体験談⑦ 止血しながらママが泣きそうに

図書館でプラスチックのフィルムに入れられている雑誌を持ったとき、鋭利な角で指を切って流血。本人は平気でしたが、娘の血液を初めて見た私は驚いてしまい、止血しながら泣きそうになりました。【Mちゃん(当時11カ月)のママ】

体験談⑧ テーブルの角にぶつけ、口から出血!

くちびると歯ぐきのつけ根(上唇小帯・じょうしんしょうたい)がぱっくり裂けて、病院に電話。先生によると赤ちゃんがよく切る場所らしく、血が止まれば大丈夫とのこと。その後、出血も止まり、本人もケロッとしていたので受診しませんでした。【Mくん(当時9カ月)のママ】

監修/緑園こどもクリニック院長
山中龍宏先生
産業技術総合研究所デジタルヒューマン工学研究センター傷害予防工学研究チーム長。長年、子どもの事故防止に取り組んでいる第一人者。著書に『子どもの誤飲・事故を防ぐ本』(三省堂)など。
出典:Baby-mo ケガ!! 病気かも!? とっさのときにどうする!? を知ろう・1 イラスト/アサミナオ
※情報は掲載時のものです。

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